海のはじまりは、テーマとしては「夏がだんだん海のお父さんになる」ということなんですが、夏の恋人弥生は初回から「かわいそう」な存在です。
回が進むごとに「かわいそう」な度合いがクレッシェンドのように増していくのですが、今回は「ピーク」になったような感じがします。
この記事では「弥生がかわいそう」という声を基に、第8回の弥生を語っていきます。
スーパーでの夏の言葉に傷つく弥生
1週間の南雲家での夏休みを終え、家に戻った夏。海が可愛すぎて、海のことばかり考えてしまう夏。
弥生とスーパーに行って、今日は僕が作るよと夏が言って、弥生は喜ぶのですが…
最初のうちはこんなふうに、夏がカゴを持ち、そこに手をかける弥生でした。
夏が商品を見ながら「えっと、バランスとか、栄養とか…」などと言うのを聞いて、弥生は「子供の好きなものがいいよね」と夏に言います。
夏「うん、でも、意外と好き嫌いないんだよね」
夏は、海のことを若干自慢げに弥生に話します。
「水希さんが、そう育てたんだよね」
夏は、ちょっと恥ずかしそうに微笑みながら、うなずきます。
弥生の手がバスケットから離れます。
このシーンは、弥生の気持ちが置き去りにされたことを意味しているのでしょう。この一週間で、夏の心はすっかり海ちゃんに奪われてしまったことを痛感する弥生。
このシーンが、第8話の「弥生が傷つく場面」1回目です。
夏を見てください。弥生の気持ちが、そこまで分かっていない顔ですね。
まあ、男ってこういうものです。(と、なかばあきらめムードで見る女性が多いでしょう)
公園で、海ちゃんのネックレス事件
夏は、小さい頃に生き別れた父(田中哲司)と再開した後、公園で海と遊んでいた。そこへ、大和のはからいで現れた弥生。(大和って本当に気が利く男です)
海が弥生に気づき、「さか上がりするの、見てて」と言う。
鉄棒のほうへ駆け出そうとする海の手を引っ張ると、弥生は海のネックレスを指さします。
「おしゃれなのしてるね」
「遊ぶとき危ないから取ろうか」と、弥生が海のネックレスに手を伸ばそうとしたその時
「やめて!」と夏の声。弥生は驚いて手を引っ込めます。
海は弥生に「ママ」と言います。
「遺灰を…」
気づいた弥生は、海に言います。
「かわいいからネックレスかと思っちゃった。ごめんね、勝手に触って。」
夏は、水希の遺灰を少しだけ分けて、ロケットになっているネックレスに入れたのでした。いつも、海が水希といられるように、と。
「よかったね、ママとずっと一緒にいられて」
「うん!」
「優しいね」と寂しそうにつぶやいた弥生に、夏は返す言葉がありませんでした。
このシーンが、今回最大の山場、弥生のかわいそうな度合がマックスになった部分でした。
いくらがんばっても「母」にはなれない弥生
「海のはじまり」第8話では、弥生がどん底に落とされるシーンが2回ありました。
・夏と二人でスーパーで買い物をしているとき、海に好き嫌いがないと自慢し、それは水希のおかげだと夏が微笑んだシーン
・弥生が海のネックレスを、危ないからと外してあげようとしたとき、夏が「やめて!」と叫んだシーン。
このふたつの場面を見ると、どれほど弥生が良いお母さんになろうと努力しても、常に海ちゃんにはママが一緒にいるんだということが嫌でもわかります。
夏と海は父と娘なので、その仲は時間とともにどんどん深まっていきます。逆に、弥生は二人から心理的にどんどん外野に追い出される立ち位置になります。
どれほど心細いことでしょう。
筆者がもし弥生だったらブチ切れているだろうと思うと、どうして弥生は耐えられるのだろうかと、不思議でなりません。
次回は、夏が「3人でいることが辛くない?」と弥生に言う場面があるようです。次回はいよいよ「夏と弥生の出会いと、これから」について踏み込んでいくようです。
弥生が夏と海の3人の家庭を選ぶとしても、本当に幸せになれるのでしょうか。ドラマは最終局面に向かっています。はらはらしながら見守ることにしましょう。