ドラマ【3000万】6話 あらすじ 奥島に告白・坂本の脅し・純一の苦悩

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大津が捕まって、詐欺集団のネットワークは壊滅状態になった。奥島は定年の日を迎えたが、彼の疑惑の目は義光に注がれていた。そんな時、突然佐々木家にソラが現れた。いったいどうなってしまうのか、過去一番の面白さ、ドラマ「3000万」第6話。

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目次

元樹との約束

義光のアラームは6時に鳴る。退職しても、その習慣は変わらなかった。アラームに設定している曲は、息子のバンドの曲だ。

義光は、息子の元樹との生前の会話を思い出していた。

「おやじさ、もし、俺もクスリやってたらどうする?俺を捕まえたら、バンドも解散して、全部終わりになるって分かってたら、捕まえる?」

「捕まえるさ」

「やっぱりな。オレ、あいつが薬やってるって知ってたんだ。そばにいるのに、見て見ぬふりをしてたんだよ」

奥島はスマホを開いた。最近電話をかけてきているのは義光ばかり。その中に一件、「非通知」があった。大津の居場所を知らせたタレこみの電話だ。

奥島の誕生日会

今日は、奥島の誕生日会をやることになっていた。義光は奥島に「純一が熱出しちゃって」と断りの電話を入れたのだが、奥島が退職して寂しそうなのを感じ、どうしても断り切れなかった。

祐子は奥島の誕生会には反対だった。とてもそんな気になれない。断り切れなかった義光に怒り狂っている。純一は親と口もきかず、家の中は極めて気まずい状況だ。

「純一もあんな感じだし、そんな余裕うちにはないの!ソラだっているんだし」

「そうだ、ソラがいるんだった。あいつ早く追い出してよ!奥島さんが来る前に」

なんと、佐々木家はまたソラをかくまっているのか。そして、奥島さんの誕生日は佐々木家で行われるのだ。

もう嘘をつくのは嫌だ

ソラはあの日祐子の前に現れると、「5分だけ寝かして」と玄関に倒れこんでしまったのだ。今は部屋でぐっすり眠っている。

祐子が下に降りていくと、義光と純一が話しているのが聞こえた。

「奥島さん、来るの?」
「うん、どうしても断れなかったんだよ。お茶飲んだらすぐ帰ってもらうからさ」
「また嘘つけっていうの?絶対やだ!」

純一は自分の部屋へ駈け込んでいった。

大津の取り調べ

大津は取り調べを受けていた。大津が連絡してくれと言った弁護士には電話がつながらず、そもそも弁護士事務所に登録すらされていなかった。

「塚田晴彦さん」

野崎はそう言ってパソコンの画面を開いた。大津の名前もバレていた。

「こちらが本業だったんですかね?ここで赤字を出したか、あるいは女性関係で脅されていたとか。あなたは悪い人間じゃない。警察はあなたを絶対に守ります」

大津、もとい、本名・塚田晴彦は、目に涙をためて話し始めた。

大津は自分の知っていることを全部しゃべったが、分かったのは、大津はただの「運び屋」だったということだ。愛人の弱みを握られて、脅されていただけの人間だったのだ。上の者には会ったこともない。

大津を捕まえても、組織の実態がつかめるどころか、一掃することもできないのだ。

筆者の意見

え?やっぱり大津の上にまだいるんですね…

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1400万の罪

義光と祐子が誕生日会の準備をしていると、テレビから先日の強盗事件のニュースが聞こえてきた。

おばあさんが寝ているところを襲われ、自宅に保管していた1400万円を取られたのだ。子どもと孫のために貯金していた大事なお金だった。

まさにこの事件は、祐子が「初めて成功」した仕事だったのだ。

祐子はかけ子として、この犯罪に加担していたことになる。祐子はすでに引き返せないところにまで来てしまっていた。

奥島さん、佐々木家へ

奥島は、スイカを持って佐々木家へやってきた。スイカは、風邪をひいたと聞いた純一のためだ。

奥島、義光、祐子の3人でささやかな誕生会が開かれた。奥島が持参したビールも飲み、スイカも食べ、義光と奥島の間では昔の話もはずんだ。義光が昔作った「掴め!サムシング」という歌が今流行り始めていて、来月正式にリリースされるという。

奥島は、事故の話をし、今からでもいいから何でも言ってくれ、いつでも君たちの味方だから、と二人に告げた。

まだ上がいる

祐子は、階段の上にソラがいるのを見つけて、あわてて2階へ行った。

ソラは、車で山奥まで連れて行かれて、そこで放り出され、逃げ出した。そのまま強盗犯からも警察からも逃げて、ここまで来たのだった。

「でももう大丈夫だから、坂本が金を渡していたのが捕まったから」

「あ、でもそれ違うよ。本当に指示出してるやつ、私見たから。あいつらが捕まらない限り、またやるよ。終わるわけない。最後は家族にまで手出してくるよ」

祐子は暗澹たる気持ちになった。事件はまだ解決していなかったのだ。

何か食べるものを持ってきてくれとソラに言われ、祐子はソラと純一に昼食を持っていった。ソラは当然のように受け取る。

一方、純一は部屋にカギをかけて出てきてもくれない。返事もなかった。

下では義光と奥島が大声で笑っている。祐子はいたたまれなくなり、その場に座りこんだ。

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チクったのは誰だ?

坂本はホテルの部屋で般若心経の写経をしていた。なかなか学のある人間のようだ。そんな人間が、なぜ犯罪を犯すようになってしまったのだろうか。

スマホが鳴る。大津からだ。大津は捕まったはずだ。

「お前、誰だ?」

電話の声が言う。ボイスチェンジャーを使っている。

「また組織を再編する。金を持ち逃げしたのはお前か?金の渡し場所を密告したやつを1週間以内に見つけろ」

電話は一方的にキレた。電話の主は、坂本の本名が「望月」だということも知っていた。どうやら本当にボスのようだ。

坂本は長田を呼び出して、警察にチクったのはお前かと尋ねた。

「オレ、坂本さんからお金もらってるのに、警察にチクる意味ってなんですか?」と逆に長田が言う。

「じゃあ、誰なんだ?」

長田は少し考えたあと、何かに気づいたようだ。

奥島の疑い

「そろそろお開きにしましょうか」と義光がテーブルを片付け始めたとき、奥島はあらためて義光に尋ねた。

「義光君、何かあった?オレはもう刑事でもない。だから、何かあったときに、どうすればいいのか教えられる」

義光は、何のことですか?とすっとぼける。

奥島は自分のスマホの画面を見せた。

「そこに、ひとつだけ「非通知」がある。オレにかかってきたタレコミなんだよ。それ、義光君だよね?」

義光は画面を見たまま固まっていた。

「オレの番号を知ってるやつなんてほとんどいない。これは、義光君からのSOSだよね?あいつらを捕まえて、助けてくれって」

一瞬凍りかけた義光は、我に返って、あわてて否定した。ただ、その時の義光は明らかに普通ではなかった。

義光は2階の廊下で座り込んでいる祐子を見つけ、奥島が自分たちのことを疑っていることを告げた。

義光「奥島さんにすべて話そう。何かうまく段取りつけてくれるかもしれない」

祐子「やっと自由になれたというのに。純一だっているし。さっきの強盗のニュース、私が情報とったやつ。私のせいであのおばあさんが強盗に入られた。もう、なかったことにはできない」

初めて知る事実に、義光は言葉を失った。

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空っぽのギターケース

奥島は自分のギターを取りに車に戻った。

だが、なんとギターケースは空っぽだった。ギター本体を家に忘れてきてしまったのだ。

なんてこった、とでも言いたげに、奥島は佐々木家へ戻っていった。

その様子を横で見ていたのが、坂本と長田だった。長田の勘で佐々木家が怪しいと知った二人は、車の中で様子をうかがっていたのだった。

坂本は、捕まりそうになったときに奥島の顔を見ていたので、刑事だとすぐにわかった。ということは、祐子は警察から送り込まれたスパイだったということか?

坂本は長田に言った。「おい、準備するぞ」

過呼吸

祐子は純一の部屋のドア越しに、話しかけた。

「純一を裏切るようなことをして、とても後悔してる。でも、今は慎重にしないと」

「結局、奥島さんに言わないってこと?ボクがあのカバンを持ってきてしまったから、こんなことに…」

純一は純一で苦しんでいたのだ。自分がバッグを持ってこなければ、こんなことにならなかったのに。純一の呼吸が荒くなってきた。泣きながら過呼吸になっていた。

祐子は、ドア越しに「息を大きく、吸って、吐いて」と言うだけが精いっぱいだった。

一方、ギターを忘れて手ぶらで戻ってきた奥島は、義光のギターを借りることにした。

奥島は、昔のことを話し始めた。「義光君、昔、キーボードをくれた時があったろう?でも、その次の日に祐子ちゃんが、キーボードを取りに来てさ。やっぱり、これがないとダメだって言って」

義光は不思議そうな顔をしていた。そんなこと、あったっけ?いや…忘れてた?

あとはオレに任せろ

祐子は義光を呼び出し、純一が過呼吸になったことを伝えた。

「もう、これまでかも」

「ああ、これまでかもな」

「でも、純一がいるから…」

「いや、これは全部オレがやった。お金を取ったことも、ソラをかくまったことも、全部オレがやった。あとはオレに任せろ。純一のこと、頼んだぞ」

義光は、「そんなの無理、かけ子のこともあるし」と言う祐子を制止して、覚悟を決めたように部屋を出た。

祐子は、義光に隠していることがあった。蒲池のことだ。義光は蒲池が池に落ちたことを知らなかった。

準備

長田は準備を始めていた。手にはナイフも持っている。

「それでは、行ってきます」

長田はそう言って佐々木家へ向かった。手には箱のようなものを持っている。坂本は望遠鏡で佐々木家の様子を探っていた。

ソラと純一

ソラは、部屋の中からそっと出てきて、外の様子をうかがっている。(この女はいつも、自分の置かれている状況を分かっていない。)

ふと見ると、純一の部屋の前に、パンと飲み物が置いてあるではないか。

ソラがパンに手を伸ばしたとき、ドアが開いて純一が出てきた。目があった二人。

「純一君、だよね?お邪魔してもいい?ヒマでさあ…」

真実を言うとき

「もう奥島さんに言おう」と思った義光と祐子は、奥島の前にあらためて座った。

だが、義光はなかなか切り出すことができない。

一方、純一の部屋でソラと純一が話し始める。

「あの時は、盗んでごめんなさい。ボクが悪いことしたから、いろんな…」

「ストップ!」とソラは純一の言葉をさえぎった。

「知ってる?ガキって悪いことできないんだよ、だって責任とれないから。責任とれるような大人になって、初めて悪いことできるわけ。わかった?」

よくわかんないけど、と口ごもる純一。でも、なんだか気持ちがすっとしたようだった。

言い出せない

奥島の前にすわった義光だったが、どうしても告白することができない。それを察した祐子が、「もう、こんなに酔っ払っちゃって、お開きですかね」と笑う。

「純一が元気なときに、また遊びに来てください」祐子は必至に義光の告白を邪魔しようとする。

明かに、この夫婦はおかしい。何かを隠しているし、義光は自分に何か言いたげだ。

「祐子ちゃん、おかしいよ。義光君、苦しんでるよ。何か話したいんだろうなって。ちぐはぐだよ、二人とも」

もはやごまかすのもこれまでか。義光はもうすべて打ち明けたい。祐子は、義光にすべての責任を負わせたくない。そんな二人の気持ちは確かにちぐはぐだった。

キーボードはすぐ売った

義光は祐子に向かって話し始めた。

「いや、祐子、いろいろありがとな。お前、俺が昔奥島さんにあげたキーボード、取り返してくれたんだってな。俺、全然知らなくってさ。お前、俺の音楽なんか聴くのもいやなのかと思ってたからさ。本当にうれしかったよ」

それを聞いて祐子は言った。「あれ、すぐ売った。何譲ってんの、お金ないのにって」

自分が奥島さんに譲ったものを、勝手に取り返して勝手に売ったと聞いて、驚く義光。

「お前、最低だな!」
「お金がなかったの!」

こうなったら、二人の喧嘩は止まらない。

毎日毎日、お金のことばかり考えている身になってほしいという祐子。

家族のために大好きな音楽をやめたという義光。

ここで、NHKの公式Xからこのシーンの映像が公開されているので、ぜひご覧ください。夫婦喧嘩のすさまじさが面白くて、そして奥島さんのギターが…

奥島のギター

ジャーン!

突然奥島がすごい音響でギターを鳴らした。

突然の大音響で、喧嘩をやめて耳をふさぐ二人。

奥島はギターを弾きながら歌い始めた。義光と息子のバンドの歌だ。

「いつだってやり直せるんだ
 何度だってやり直せるんだ
 君と交わした約束 
 ずっと見ていた夢を頼りに」

純一との約束

突然の大音響に驚いた純一も、なにごとかと見に来ていた。祐子は純一を追いかけたが、純一はまた部屋に逃げ込んでいった。

「純一、びっくりしたよね、でも、もう大丈夫だから」

あの日、警察にお金を返せず、そのまま持っていた。でも、これから奥島さんに全部話してくる。責任を取る。

祐子がドア越しに話すと、純一がドアを開けた。祐子も純一も、抱き合って涙を流した。


「お母さん、刑務所行っちゃうの?」
「どうかな、わかんないけど。でも、心配いらないからね、じゃあ、行ってくる」

下に降りていこうとする祐子を、ソラが出てきて止める。「聞いてないんだけど!」

「私たちの計画が全部崩れる」ソラは懇願した。ソラは、一味を倒すことを考えていた。そのためには祐子の協力が必要だ。

「あんたがここにいること、バラすよ」

祐子はソラを押しのけて部屋から出ていった。

子どもをさらうぞ

下へ降りていくと、玄関チャイムが鳴った。

「お届け物です」そう言って、祐子は箱を渡された。箱の上には、こんな紙が乗っていた。

「警察に情報もらしたら 子どもさらう」

「ありがとうございました」そう言って、長田は去っていった。

義光、奥島に話す

祐子が大急ぎで部屋に戻ると、義光はすでに奥島に話していた。

「はい、ボクが全部盗みました。あの事故のときに、全部で3000万です」

時、すでに遅し。

祐子は心配している純一に、部屋にカギをかけて出てこないようにと言い、ソラのいる部屋に入っていった。

「あいつらが来た」
「ね?言ったとおりでしょ。だから、協力して」
「でも、夫が全部しゃべっちゃった」

ソラは絶望し、怒りにふるえていた。

ついに義光は奥島に3000万のことを打ち明けてしまった。だが、坂本からは「警察にしゃべったら子どもを誘拐する」と脅されている。そして、ソラが考えている計画とはなんだろう?

まだ間に合うのか?歌のように、「いつだってやり直せる」のだろうか。

次回に望みをつなげよう。

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