【柚木さんちの四兄弟。】第11話から13話まで:あらすじ

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うたちゃんに彼氏ができて、親友としてこれまで同様遊べなくなると知った湊は、うたのデートを邪魔しようとするが、どれも失敗に終わる。

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目次

柚木さんちの四兄弟。第11話 あらすじ

はたして、うたの湊の貴重な友情は保たれるでしょうか。片や恋、片や友情。両立できるようで、なかなか難しいのかもしれません。

どうも様子がおかしい尊(みこと)

うたに彼氏(森田)ができてから、湊は気が気でない。これまでどおり、うたと遊べなくなるかもしれないからだ。

もうひとり、様子がおかしいのがいる。湊の兄、尊だ。尊は湊とは違い、感情を表に出さないので、彼の気持ちに気づく家族は誰もいなかった。

ひとりだけ、尊の変化に気づいた人間がいた。クラスメイトの男子だ。彼は、尊もうたのことを好きなのだと思っていた(が、口には出さず見守っていた)。

湊は食欲がなかった。そんな湊を見て、尊も考え込む様子。

二人の様子に気が付かないのは、相変わらず隼だ。

学校へ着くと、いつも森田がうたを待っていて、二人で教室へ向かう。そんな二人を見つめる尊と湊。

我慢できずに、うたにある事を伝えにいく尊

ついに尊は決心した。このままでよいはずがない。もう、自分の気持ちをはっきりと言おう。

筆者の意見

ついに告白ですか?ドキドキ

「うた、俺は今、お前のことが最高にむかついてる!お前が森田と付き合おうと勝手だ。だけど、毎日毎日、どうしてそんなに暗い顔をしてるの?何を悩んでるの?うたが何を考えるのか分からなくて、湊は苦しんでる!」

「え?オレ?」と驚いた顔の湊。

驚いた湊はあわてて尊を静止に行く。そのとき尊は「俺は、俺を心からかわいい弟だと思っている!」と告白した。

なんと、尊はうたに想いを馳せていたのではなく、かわいい弟が心配でならなかったのだ。

クラスの友達も、「よくわかんないけど、仲いいんだな、二人。」

うたの気持ちを聞く湊

放課後、うたは湊に、自分の気持ちを話始めた。

最初のころは、デートは楽しかった。食べたり、しゃべったり。だが、ある時森田がうたに言った。

「どうして男みたいにしてるの?もう少し、女の子らしくしたら?」

その言葉を思い出すと、胸が苦しくて、どうしたらいいか分からないと、うたは湊に打ち明けた。

それを聞いた湊は、うたに言った。

「そんなのおかしいよ。わかんないけど、人を好きになるって、ありのままの相手を好きになるってことじゃないのかよ。うたのことちゃんと見てないやつに振り回されるな。うたは、うたなんだから。」

「ありがとう、湊。やっぱお前は、最高の親友だ!」

次の日、うたは森田に別れを告げた。「ごめんなさい!私、人とつきあうことを簡単に考えてた。」

ということで、うたはまた湊と大いに遊び、尊は湊を大っぴらに愛せることになった。不思議な関係だが、これでうまくいきました!柚木家に平和が戻ってきましたとさ。

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【柚木さんちの四兄弟。】第12話 あらすじ

柚木家に平和な毎日が訪れた。今回の主役は、岳(がくと)かな?

筆者の意見

岳ちゃんがかわいくて仕方がありません!一家に岳ちゃんが一人いれば、平和な世の中になるような気がします。

派手なおじさん登場!

いつものように、岳は学校から帰ったら、虎次郎さんの家へ直行だ。「ただいま!」

と言って後ろを振り向けば、誰? 派手な虎次郎さん?が立っていた。

岳「こじろう…さん?」

おじさん(おじいさん?と呼ぶにはあまりにも若づくり)は「あったりめぇよ」と、自分は虎次郎と言い張る。

いつもの虎次郎と様子があまりにも違うので不審に思う岳。

岳は、「では、将棋を指そう!」と盤の前に座るが、虎次郎らしき男はどうも将棋を指したくなさそうだ。

虎次郎らしき男は「DVDでも観ようぜ!」と岳を誘う。

岳は一枚のDVDを選ぶが、男は「おい、時代劇はねぇだろう?」と言った。

そこで岳ちゃん!やっぱりねという表情で言った。

「これを観たくない虎次郎さんは、あり得ない。これは、俺たちが50回は観ている、虎次郎さんイチオシの名作だ!」

筆者の意見

50回はすごいね。

岳「さらに!決定的な証拠がある!」

男「なんだ?」

岳「虎次郎さんは、DVDのことを、ビデオと言う。」

男「よく見破ったな。」

岳、刀を取り出して、「いざ、尋常に勝負!」

「いざ、尋常に勝負!」とは、「さあ、逃げたりせずに堂々と勝負しろ!」という意味で、時代劇によく出てくるセリフです。岳ちゃん、おそるべし…

岳、カリフォルニアロールに挑戦!

男はついに白状した。「俺はな、族じゃねぇよ。俺は、虎次郎の双子のお兄さん。裕次郎だ。アメリカから戻ってきた。向こうではドラゴンと呼ばれてるんだ。だから、ドラゴンって呼んでくれ。」

裕次郎は続ける。

「俺はアメリカで、カリフォルニアロールってもんを作ってるんだ。まあ、弁当屋だな。」

そういって、おもむろに台所に行って冷蔵庫を開け、カリフォルニアロールを作り始めた。

裕次郎「巻いてみるか?」

岳「え?いいの?」

裕次郎「もちろんだ!なんでもTRY!」

そして、出来上がったカリフォルニアロール。二人の力作だ。

筆者の意見

おいしそうだ!お腹がすいてきた…

満足そうに食べる岳。

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裕次郎、岳の身の上話を聞く

裕次郎は、岳の上に3人男の兄弟がいると聞き、「男4人か!それじゃあ、お母さんは大変だな。」というと、岳が答えた。

「両親は、2年前に亡くなった。だから、兄たちが世話をしてくれている。」

それを聞いた裕次郎は突然立ち上がり、仏壇の前に座り、手を合わせた。

裕次郎「ごめんよ、はるみちゃん、葬式に来られなくて。」

※はるみとは、虎次郎の亡くなった奥さんです。

裕次郎は岳に打ち明けた。「葬式のとき、虎次郎ははるみちゃんを見送ってやれと言ったんだけど、俺、どうしても断れない仕事があったからさ。」

それ以来、虎次郎と裕次郎はギクシャクとした関係にあるのだ。

岳「謝ればいいのでは?うちは、みんなそうするぞ。」

実は、その昔裕次郎もはるみに想いを寄せていたのだった。だが、はるみが好きなのは虎次郎だと知り、失意のはてにアメリカへ渡ったのだった。裕次郎は、彼なりに心の痛みや苦しみ、後悔を味わっていたのだ。

「どれだけ痛くても、その分、人にやさしくなれるんだ。悪いことばかりじゃねぇ。」

裕次郎の言葉をじっと聞いている岳だった。幼い自分の実に照らし合わせているようだった。

虎次郎と裕次郎、久しぶりの再会

ただいまー、と家に帰ってきたサキさんと虎次郎は、「おお、久しぶり!」と再会を喜び合った。

「なんだ、もう行くのか?」
「ああ、今日の飛行機だ。」

筆者の意見

一人ふた役ですね!ついに並んだ!虎次郎と裕次郎。

そこへ帰ってきた、うたとわか。「あ、おじいちゃんが二人!」

さきが「夕飯ぐらい食べてってよ」と言うと、「今度、また来るよ。嫁と、孫連れて。」と、裕次郎。

「まったく、風来坊だなあ。」と、あきれる虎次郎。

出ていった裕次郎を、何を思ったか岳が追いかけた。

後ろから声をかけた。「ドラゴン!

「アッハッハッハ、やっと呼んでくれたか!」

「いつか、また会えるか?」

「もちろん!こんな親友を持って、虎次郎は幸せだ。じゃあな!」

カリフォルニアロールを召し上がれ!

裕次郎が帰ったあと、テーブルに残っていたのはカリフォルニアロールだった。

みんなで食べると「おいしい!」の声。「でも、これ、なんの味?」と、うた。

虎次郎「これは、アンズだな。おまえたちのおばあちゃん(つまり、虎次郎の妻)が大好きだったんだ。あいつ、忘れてなかったんだな。」

家に帰ってカリフォルニアロールの作り方を岳から聞いて、さっそく湊が作ったが…

うーん、裕次郎さんのようにはいかないようですね。

さて、今度裕次郎さんに会うのはいつの日になるでしょうか。楽しみです。

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【柚木さんちの四兄弟。】第13話 あらすじ

湊はいつも不満を持っていた。優秀な兄と比較されることでである。

なんでいつも比較されるの?

兄の尊は超優秀。勉強ができて、性格も良い。女子からも人気で、先生からの受けもよい。欠点がないのが欠点と言えるほど、完璧な人間だ。家事も進んでやる。

そんな尊は「兄」ではあるが、尊は4月生まれ、湊は3月生まれ、偶然にも同学年だということも気にいらない。湊にとっては「同学年」なのに、他人からは「優秀なお兄さん」という立ち位置だからだ。

さらに、尊は弟の湊が大好きだ。気持ちが悪いほど弟を愛しており、公言している。それもやめてほしいと湊は思っていた。

追試と補習

授業が終わったとき、湊とうたは先生から呼び出された。

「お前たち、追試と補習だ。点数悪かったからね。」

「うへー、まじか。」と、うなだれる湊とうた。クラスメイトからは「学年2位のお前の兄ちゃんに教えてもらえば?」

「嫌だよ」と湊。

「もしくは、学年1位の二階堂君。」

「俺には湊を教える忍耐力はないな。」

そこへ、「すみませーん、ちょっと注目してください。」とクラスに入ってきた女子。ロングヘアーでかわいい子だ。

「スーパー生徒会長」と呼ばれる天原桜(星乃あんな)。成績優秀、スポーツ万能、ファッション誌の読者モデルもしている3年生だ。

なんと、尊も生徒会の活動に呼び出されてクラスに入ってきた。「そういえば、うちのクラスに桜先輩の妹がいるよ。」

湊と尊は別々のクラスだ。「天原椿さん。話したことはないけど。」

「スーパー生徒会長の妹。スーパー妹か。」と、うた。

姉(桜)と妹(椿)

「つばき!」姉の桜は廊下で見かけた妹に声をかけた。「はい、お弁当。忘れてったでしょ。」

桜はさらに続けた。「今日、お父さんとこにお見舞いに行くけど、一緒に行かない?」

「行かない。」そっけなく答えて、椿は立ち去った。

補習で一緒になった天原椿

湊はうたと一緒に補習授業を受けにきた。何とそこに、スーパー生徒会長の妹、天原椿がいることを知った。

「補習を受けてるってことは、スーパー妹じゃない。こいつもきっと、俺と同じだ。」

湊は椿に妙な連帯感を持った。

「天原!オレたちは、仲間だ!」と、湊は一方的に握手を求めた。

筆者の意見

そういう連帯感も、あるかもね。

湊が尊に勝てるもの

湊は考えていた。「尊に勝てそうなことは、ないかな?」

筆者の意見

木登り以外、全滅じゃないですか

それを見ていた岳は、「俺も何か思いついたら、湊兄さんに教えるぞ。」

「ほんと?岳ちゃん、ありがと!」

そんな二人の光景を、微笑ましく見ていた隼だった。

隼も、湊が何か自信を持てることはないか、ずっと考えていたのだ。

放課後、湊と椿の会話

放課後、湊は天原に声をかけて屋上で話した。

「俺、考えてるんだ。尊に勝てることを。」

「私も同じ。うちの場合は2個上だから、偉そうに言ってくるんだ。自分だって子供のくせに、私を子供扱いして。」

「そうそう。」

そのとき、湊の靴紐がゆるんでいるのを椿が発見し、きちんと結びなおしてやった。

椿は自分のことを話し始めた。

「お姉ちゃん、何の取り得もない私のことを、恥ずかしいと思ってる。柚木君のお兄さんも同じでしょ?」

「それは…」湊は口ごもる。

「きっとそうだよ。」と、椿。

天原家

「ただいま」と、天原家の母が遅く帰ってきた。

妹の椿に、母と桜の話声が聞こえてきた。

「おかあさん、遅かったね。」

「うん、今日、椿の成績のことで学校から連絡があったの。」

「お母さん、お父さんの入院費とか、大丈夫?」

「大丈夫。桜が特待生で、助かってる。」

誤解された湊

湊が尊やうたたちとお弁当を食べていると、桜先輩が話しかけてきた。

「あ、この子が湊くん?かわいい」

尊が桜に言った。「この子は、かわいいって言われるのが嫌なんです。」

「ほんと?でも、ほめ言葉だよ。親しみやすくて、友達になれそうって思わなければ言わないから。」

そう言われて、湊はちょっぴり気を良くした。

「姉ちゃん、天原が言ってたようには見えないけど。」

その様子をじっと見ていたのが椿だった。

椿は湊に、「うそつき。仲間だって言ったのに。結局、ほかのみんなと同じじゃない。」

驚いた湊は、答えることもできず黙っていた。

筆者の意見

同学年だとさ、女子のほうが男子よりもちょっと精神的に上なんだよね。

湊は、「お前のねえさん、お前が言ってたほど嫌なやつじゃないよ」と心の中で思っていたが、口には出さなかった。

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