台風で「中止か？」とささやかれていた日テレの恒例24時間チャリティーマラソンは、なんとか実施され、無事やす子はゴールを切った。
毎回言われるのが「どうせ高いギャラもらってるんでしょ」ということ。でも、今回はやす子はノーギャラだった。詳しく解説する。
チャリティーマラソン、海外ではノーギャラ
毎回感じることだが、24時間テレビのチャリティランナーには、仕事と報酬の不一致がある。
チャリティ番組であるにもかかわらず、総合司会がプロとしての業務を行うためにギャラが支払われるのは理解できる。しかし、走ることが専門ではないタレントが“走る”ことで高額な報酬を受け取るのは、違和感が拭えない。
ちなみに、アメリカやフランスのチャリティ番組に出演するタレントは、世界的に有名なアーティストであっても、全員がノーギャラで出演している。
日テレの24時間マラソンはギャラが1000万とも
今回、「愛は地球を救うのか？」という、ただクエスチョンマークをつけただけの変化で、マラソンの内容が変わるとも思えないし、番組の趣旨が変わるとも思えない。
相変わらず、チャリティーという名前の「マラソンランナーは1000万もらえる」という噂が飛び交っていた。
ちなみに、司会は2500万円もらえるそうだが（ほんとか？）、ランナーは1000万円もらえるというのも、あながち嘘ではないだろう。
ところが、今回やす子は自ら「ギャラはいらない」と申し出たそうだ。
やす子、自らギャラを拒否
やす子は、Ｘで「チャリティーマラソンのギャラが1000万円というデマが広まっているが、一銭も受け取っていない」と投稿し、憶測やデマにすぐに信じることをやめるよう呼びかけた。さらに「自分の意思で参加したので、番組を批判しないでほしい」とも述べた。
やす子は24時間テレビ内で「全国の児童養護施設への募金マラソン」に挑戦した。台風10号の影響で、スタート時は横浜の日産スタジアム内のトラックを周回する形式となり、75周（約30キロ）を走った。その後、東京の両国国技館へ向かい、午後8時41分にゴール。涙を流しながら、「走れてよかった。皆さんの応援のおかげです」と感謝の意を表した。
毎回流れる「ギャラ」の噂
「24時間テレビ」について、ネット上では出演者へのギャラや経費が不透明だとの指摘が多く寄せられている。一部のタレントからも、出演料が発生することに疑問を持ち、出演を拒否する発言があった。
さらに、昨年11月には系列局の日本海テレビジョン放送の男性が寄付金を着服する問題が発覚した。今年は番組テーマが「愛は地球を救う」から「愛は地球を救うのか？」に変更されている。
それでもやす子を応援する人多数：彼女はなぜ人を惹きつけるのか
私は、普段ほとんどバラエティを見ないので、今回やす子を知ったのは、少し前の「ふわちゃん」事件だった。あそこでやす子が「神対応」をして、立派だなと思ったのが、やす子に興味を持つきっかけだった。
その後、やす子が児童養護施設の出身だと聞いて、なるほどと思った。うちの近くにも児童養護施設があるが、最近は貧困で入る子供だけではなく、親から虐待を受けて入る子供も増加していると、施設の人に聞いたことがある。
実際に、その施設の子どもたちは普通の小学校に行くので、私も自分の子どもが小学生、中学生のときは、施設の子どもたちをよく知っていた。
かれらは、恵まれていない境遇だったが、性格は素直で、まっすぐな目標を持っていた。親に対する憎悪は見せず、逆に「大きくなったら親に家を建ててやりたい」と聞いたこともある。
子どもでありながら、心や身体が傷ついている分、人に対しての愛情も深いのだなと感心した。
やす子さんも、おそらくは小さい頃から寂しい気持ち、悲しい気持ちを経験してきただろう。そんな気持ちが、マラソンの話が来たときに一発でOKし、今回の完走に至ったのだと思う。
人に何を言われても、養護施設のため、お世話になった方々に恩返しをしたい、その一心で走り続け、ギャラをいらないとはねのけたやす子さん。
今後も、やす子さんを見習って、マラソンランナーはノーギャラで走ってもらいたいなと思う。
