「海のはじまり」の終結点がどこなのか、回が進むにつれてますます分からなくなっています。それがこのドラマの面白いところかもしれません。
この記事では、第7話で夏の放った驚きの「無神経な言葉」について深掘りしていきます。さらに、朱音(あかね)もそれに輪をかけて無神経な言葉を放ちましたので、そちらももちろん解説していきます。
それでは、いってみましょう!
第7話は水希と津野君のストーリー
これまで、生前の水希の様子はほとんどと言っていいほど長尺では出てきませんでした。
短いスパンで、アパートでの海との二人暮らしや図書館での働き、親との確執や入院の様子などは見られましたが、こちらとしてはそれらの場面をつなぎ合わせて、こういう生活だったんだろうな、と想像するしかできませんでした。
ですが、今回は水希がどのように海と暮らし、図書館で働き、津野君を頼りにしていたか、かなり克明に描かれていました。
水希が図書館で働き始めたのは、海が生まれてまだ3か月の時でした。そして、海が1歳の時、水希がお弁当箱を図書館に取りに戻りました。それが、海と津野君との初めての出会いです。
それから水希が亡くなるまで、津野君はずっと水希を見ていましたし、海の保育園に迎えに行ったり、まさに父親のように接していました。
津野君は水希に対してほんのりと好意を抱いていましたが、二人は付き合うことはありませんでした。水希の気持ちがまだ夏にあることを知っていたからですし、それを水希も公言するかのような発言をしていました。
だから、水希が亡くなったという報せがスマホに入ったとき、津野君は電話に出る前から亡くなったことを直感的に知っていました。まさに、胸をかきむしって号泣していました。あの場面は、このドラマで一番の辛いシーンだったと思います。
言ってはいけない朱音の言葉
津野君が水希のアパートに行くと、朱音(あかね)(水希の母で、大竹しのぶ)が海の衣類や必要な物をとりあえず運ぶために仕分けをしていました。
津野君が「海ちゃんのもの、だいたい分かっているので手伝います」と言ったのですが、そこで朱音のひと言。
「触らないでください。家族でやりますから」
おーまーえーーー!と私は心の中で叫んでいました。それは言ってはいけないでしょう。
確かに、娘が亡くなった直後で気が動転しているのは分かりますが、そこは大人。娘が生前世話になったことに対して、感謝の言葉が出てくるのが普通だと思いました。
朱音はこれまでもたびたび無神経な言葉を夏や弥生に発していましたが、まあ、娘が亡くなった後で心がどうにかしちゃってるんだからと思い、許してきましたが、
今回の朱音の発言は、どうしても許すことができませんでした。
やっぱり、この母娘似てますよね。
津野君がとぼとぼと帰っていく姿がかわいそうでなりませんでした。気持ちのやり場がなかったでしょうね。
夏の放った無神経な言葉
四十九日の納骨も終わり、夏は弥生を誘って水希の墓参りに行きます。もちろん、海も一緒です。
すでに、お墓には津野君が来てお花を捧げていました。
その様子を少し離れて見ていた夏と弥生。海は、夏に少し遠慮しながら、津野君のほうへ走って行きました。
この子が一番気遣いができるかもしれないですね、ていうか、小学校1年生にここまで気を遣わせる大人が情けない。
夏「津野さん、葬式のあと、一回も水季のところ来なくて」
弥生「気、使ってたのかな」
夏「『受け入れるのに時間かかっただけ』って。ずっと近くにいたから…」
弥生は「そうだよね」
ここまでは普通の会話。次に、夏は驚くべきことを弥生に言ったのです。
夏「うらやましかった。何も知らなかったから。よく知ってるから余計につらいって…うらやましかった。自分が悲しいと思ってることなんて、大したことない気がして」
それを聞いて弥生は一瞬「え?」と思ったようでしたが、気を取り直して言いました。
「大丈夫だよ。月岡くんには海ちゃんがいるから」
ここでこういうふうに分かってあげちゃうところが、私が弥生にイライラする瞬間です。この人、出来すぎなんですよね。私なら夏のことを殴ってるかもしれません。
夏は、今の恋人である弥生に、「もっともっと、水希のこと知りたかった。寄り添いたかった。生きているうちに一緒にいたかった」と言ってるわけです(無意識に)。
おーまーえーーーー!と私は心の中で叫んでいました。(2回目)
ったく、男っちゅうのはなんでこうも人の心が分からないんだ。だから、しょうもないって言われるんだ。(と私は思っていますよ)
来週は夏の父親が登場!
次週は、なんと夏が3歳の時から一度も会っていない父親が登場します。なんと田中哲司。すごい俳優連れてくるなって感じですよね。
さらに、カメラ屋の店主もいろいろ事情を知っているようで、何が起こるかは本当にわかりません。
次週の予告でチラっと見せるのは、意外と「こうだと思うでしょ、実はこうなんだよ」って目くらまし的な要素もありますからね。
では、次回を楽しみに!
今週は「朱音と夏は不用意な言葉を吐きました」と言いたかっただけです。
津野君もいろいろぶしつけな発言をしますが、この回を見て分かったでしょう、彼は自分の気持ちを吐き出す相手がいないんですよ。それくらい悲しいんです、分かってあげてください。