【宙わたる教室】第6話 コンピューター室の火星 あらすじ(詳しく)

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本格的に火星のクレーターを作る実験を始めた科学部。だが、問題は山積みで部員は頭を抱えていた。

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目次

まずは火星を作ろう

火星のクレーターを作るには、まず火星を作ってみないといけない。でも、どうすればよいのか。

佳純が火星のデータを読み上げる。地球とは全く違う。火星の大きさは地球の半分くらい、質量は10分の一、昼夜の気温差が大きく、気圧も違う。大気はほとんどなく、唯一あるのはわずかな二酸化炭素。

さらに違うのは重力だ。火星の重力は地球の40%。他の要素はなんとか再現できそうだが、重力を再現するのは無理だろう、だってここは地球だから。

そうあきらめる部員に、藤竹が投げかける。「果たしてそうでしょうか?皆さんも普段からいろいろな重力を体験してるはずですよ」

コンピューター部を使いたい

火星のクレーターを作るためには、高い場所からの落下が必要条件だった。学校で一番天井が高いのは「コンピューター部」の部屋だ。

藤竹は全日制のコンピューター部の部長・要(かなめ)(南出凌嘉)に部屋を使わせて欲しいと相談するが、要は「どうしても嫌です」と断る。

要はプログラミングの天才で、今年も去年と同じく「情報オリンピック」の大会に出場するため、毎日コーディングに神経を集中させていたのだ。

藤竹は、自分たち科学部も学会の発表のために実験しなければならないと食い下がる。

顧問の津久井は、要に「家でやればいい」と言うが、要は「家のコンピューターは壊れたから、ここでやるしかない」と、頑として了承しなかった。

顧問の津久井は、後で藤竹に言った。

「彼は、本来はもっと難関校に行ける実力があるのですが、入学試験当日に家族に問題がおこり、実力が発揮できず、うちの高校に来たのです」

要には家族の問題があるようだ。

要の家族の秘密

要は、学校が終わっても、夜遅くまでカフェでプログラミングの勉強に励んでいた。カフェが終了し、ようやく帰宅する。

自分でカギをそっと開けて、音を立てないようにリビングへ。親の「先に寝ています」というメッセージを読み、いつものように作ってある自分用の夕飯を食べ、また音を立てないように階段を上り、部屋へ入っていった。

要の家は荒れ果て、家具が散乱し、まるで強盗に荒らされたようだ。家は人の気配がしない。どういうことだろうか。

廊下には、ドアの前にトレーに乗った食事が置いてある。これもいつものことだった。誰の部屋だろう。

要と岳人 思わぬ出会い

岳人がいつも座っている席は、全日制では要の席だった。ある日、要は一枚の紙が机の中に置き忘れているのを見た。

岳人が書いた火星のクレーター実験のためのデータのグラフだった。

要は「ゴミを捨てるな バカ」と書いて机の中へ戻した。要と岳人の「知らない者同士」のやりとりが始まった。

「ゴミじゃねー、データだ。わかんねーなら だまってろ ガキ!」と岳人。

次の日、岳人が紙を見ると、何やら複雑な数式が書かれていた。表も裏もびっしりだ。岳人は驚愕した。

岳人は、この席の生徒は誰かを聞きに行き、コンピューター部へとたどりついた。

「この数式の意味を教えてくれ」と。そこから、岳人と要の交流が始まった。

数式は高校では習うことのない難しいものだった。理解できない岳人だったが、自分たちは科学部で、火星のクレーターを再現する実験をしていること、一度でいいから見にきてくれと、要に言った。

要の中で、岳人の言葉と、先日の藤竹の言葉が合致した。

要と科学部

要は科学部をのぞいてみた。みんなは要を歓迎し、火星のこと、クレーターの実験をしているが、試行錯誤の連続だということなど、いろいろ話した。

そして、実際にクレーターを作る実験を見せた。要は火星の知識はなかったが、何をしているのかはすぐに察することができ、興味を示した。

筆者の意見

やっぱり「やる気」ってすごいですよね。私は高校のとき物理が超苦手だったので、科学部のみんなが言っていることが理解できず、「すごい!」と思いながら聞いています。

興味を示した要だったが、やはり無言で立ち去っていった。もうあと少しのところだったが、また逃がしてしまった。

最後のお願い、そして要の自宅へ

岳人、アンジェラ、佳純はどうしてもコンピューター部の部屋を使うことをあきらめきれず、要がよく行くというカフェを聞きつけ、やってきた。

3人で頭を下げたが、要は何も言わずに立ち去った。

やっぱりまたダメだったね、というアンジェラに、オレ、行ってくると岳人。

要を追いかけた岳人。要の家から怒鳴り声とモノを投げつける音が聞こえ、急いで入ってみる。

中では、要の弟がめちゃくちゃに怒鳴りながら家具を投げたり倒したりし、母親が必死に止めようとしていた。要は呆然と見ているだけだった。

たまらず、弟を力づくで止めにはいる岳人。弟は救急車で搬送され、部屋には呆然とたたずむ要と、岳人が残った。

要は少しずつ話始めた。

親が別居し、それから弟の心は壊れてしまった。初めて暴力をふるったのは、自分の高校入試の日。弟のことが怖かった。

要は岳人に、親を殴ったことがあるかと尋ねた。岳人は「ねえよ」とひと言。

「親を殴るっつうのはなそう簡単にできることじゃねえんだよ。そんなことしちまったら、相手だけじゃなくてきっと 自分まで壊れちまう…。だから自分守るためにも代わりに物をぶっ壊すんだ。

家の中をめちゃくちゃにすんのはさ、誰かを傷つけたいんじゃない。きっとその逆だ。」

要はじっと聞いていた。「そうか。あいつのせいで、高校受験に失敗した。あいつのせいで、普通の生活も大切なパソコンも、全部なくした。情報オリンピックに入賞しさえすれば、自分の価値が証明できるって。それだけ考えて…。あいつのこと、見ないようにした。」

岳人はそんな要をじっと見た。「でも、それだけじゃねえだろ。だってお前、好きだろ?プログラミング。人って好きでもねえことそんな真剣にできねえだろ?」

要はハッとしたように思い返した。確かにそのとおりだ。要は、弟の部屋へ入っていった。弟の机の引き出しには、自分が小さい頃に弟にあげた、コンピューターゲームが大事にしまわれていた。まだ持っていてくれたんだ。

今から思えばつたないコンピューターゲームだったが、弟はすごく喜んで遊んでくれた。あの時は楽しかった。嬉しかった。

弟は、「兄ちゃんすげー!兄ちゃん、かっこいい!」と言ってくれた。あの頃の気持ちが、要に戻ってきた。

ブルゾンを来て、要、夜の高校へ

次の日、カフェにいる要を連れ出した岳人。岳人は自分の古びたブルゾンを要に渡した。これを着れば、定時制の学生に見えるぞ。

ブルゾンを来た要は、岳人と一緒に科学部の部屋へ行った。岳人たちは、重力を変えられる装置を編み出していた。装置の部品はすべて長嶺さんがタダで調達し、作ってくれたものだ。

エレベーターを高速で降りるときのフワっとした感じ、その重力を装置で再現する方法だ。

「自由落下する箱の中では無重力になる」と要。さすが、要は実験の意味をすぐに理解していた。

「そう、つまりこいつは重力可変装置ってわけ」

だが、火星のクレーターを再現するには、どうしても高さが足りない。それがネックだった。

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要、再度科学部へ!

「面白い」と要は言った。

そこへ、科学部のみんなが藤竹と入ってきた。要がいるのを知った部員たちは、口々に実験のことを話し始める。みんな明るく、生き生きしている。どれほどこの実験に賭けているかが、要にはよく伝わった。

佳純は、コンピューターの画面を要に見せた。「あと0.1秒でも落ちる時間を長くしたいんです」

そのためには、この科学部の天井は低すぎた。

要は、画面のグラフをじっと見た。科学部は何やらすごい実験をしているのだ。

要は部員たちが楽しそうに実験をしているのをじっと見ていた。この実験が何の役に立つかは分からない。だが、そんなことはどうだっていい。今、この実験に夢中だ。それでよいのだ。

弟の部屋が開いた

要は家に帰り、弟の部屋の前に立った。中にいる弟に話しかけた。

「まだ、このゲーム持ってたんだな。直しておいたから。置いとくよ」

要が自分の部屋へ戻ろうとしたとき、ドアが開いた。弟が出てきたのだ。ひきこもっていた弟が。

コンピューター部の部屋で実験開始!

次の日から、ついに科学部がコンピューター部の部屋を使えるようになった。要の許可が下りたのだ。

真剣に実験装置を組み替える科学部員。隣の部屋では、要が自分のプログラミングに集中している。

他のコンピュータ部の部員たちは、定時制のやつらが何をやってるんだと笑っている。「エンカウントだな」

エンカウントとは、コンピューターゲームで、敵キャラクターと遭遇すること。

要はコンピュータ部員たちにビシっとひと言。

「なあ。あいつらのこと、お前たちが笑うな」

部員たちは部長の要に怒られて、ポケっとした顔。

ふざけたコンピュータ部の部員よりも、まじめに実験に取り組んでいる定時制の科学部のほうが価値があると、要は心の中で思っていたのだった。

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石神教授との確執

藤竹の大学の同期、相澤(中村蒼)は石神教授(高島礼子)と久しぶりに相対した。

相澤:ご無沙汰しております。

石神:伊之瀬先生は お元気ですか?

相澤:はい。今はご実家のある山梨のほうに移られて、ご自分の研究をされていると聞いています。

石神:そうですか。そういえば藤竹さんも、今は随分と研究から離れた環境にいるようですね。隠居生活とは、羨ましいですね。

立ち去っていく石神の後姿を、思いつめたように見つめる相澤だった。

石神教授と藤竹には、以前どんなことがあったのだろうか。

最後におまけ:要くんのXから

今回、天才肌の高校生プログラマーとして出演した、丹羽要君の役を演じた南出凌嘉(みなみでりょうか)さんのXを発見したので、こちらにご紹介します。岳人と並んでいる要君。二人ともかっこいいですね!

さらに!現在の日本は「すぐに役に立つ」ことに予算をつけ、長期的な視野で研究を見守ることはしません。ということで、次のXの投稿は大きな意味を持つものです。

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