Xで、武蔵野市の外国人参政権問題という投稿を見ました。
それによりますと、段階的に中国人が武蔵野市に移住し、自治区を作るというものです。
いったいどういうことなのでしょうか?本当なのか、フェイクニュースなのか?
徹底的に調べてみました。
武蔵野市が中国人に乗っ取られる?
Xで、次のような投稿を見ました。橋広バロン幸之助さんという方の投稿です。(この方については一切知りませんが、よく上がってきます)

【武蔵野市外国人参政権問題】
日本を乗っ取る簡単な方法
純度100%の中国人自治区が誕生
これはいったいどういうことでしょうか?全然分からないので、ひとつひとつ調べていきました。
外国人参政権は日本でどうなっているか?
日本国憲法では、選挙権は原則として日本国民に限定されています(憲法第15条)。
外国人に参政権(とくに選挙権)を付与するには法律の改正が必要で、地方自治体が単独でこれを決定・実行することはできません。
一部の自治体(武蔵野市など)では、住民投票の参加資格に外国人を含めるかどうかという議論がありますが、それは「住民投票」であり、法的拘束力のない意見表明レベルの投票です。
「外国人に選挙権を与える条例」は、現在の日本では存在していませんし、仮に制定されても違憲判断の可能性が極めて高いです。
帰化人と外国人の区別
「帰化人」は、すでに日本国籍を取得した人たちであり、日本人として扱われます。したがって、国政・地方選挙に参加するのは当然の権利です。
その一方で、中国人を大量に帰化させるというのは現実的にも法的にも困難です。
- 日本の帰化は厳格な審査があり、本人の素行、収入、言語能力、長期在留歴など多くの条件があります。
- 一挙に数万人が帰化するなどというのは、現実には起こり得ません。
武蔵野市の人口と「10万人中国人送り込む」の非現実性
武蔵野市の総人口は約14万人程度です(2024年時点)。
その中にいきなり「10万人の中国人を送り込む」というのは、
物理的に住宅インフラが足りない
ビザや滞在資格の制約がある
政治的にも経済的にも不可能に近い
仮にできたとしても、中国人であっても選挙権はないため、議会を「乗っ取る」ことなど不可能です。
「自治区に制定する」という言葉の意味不明性
日本の地方自治体において、「自治区」を一方的に制定することは不可能です。
自治体が「外国人のための自治区」を作るなどという法的な制度は日本には存在しません。
もそも「中国人自治区」という表現自体が、特定の民族や国籍に対する偏見を助長する差別的レトリックです。
公明党・立憲民主党・中国政府の関係性も根拠がない
名前が挙げられている政治家たちに対しても、中国政府と直接的に連携して「日本を乗っ取る」ような計画をしているという証拠は一切ありません。
政治的な立場や外交姿勢に賛否はあっても、「侵略の手先」とするのは中傷であり、名誉毀損にもなり得ます。
結論
この投稿は、
外国人への不安や偏見を利用し、
法制度や現実性を無視し、
特定の政党や国籍の人々を敵視する
という、陰謀論的で差別的な情報操作の一例といえます。
いろいろ調べてみると、この投稿は一種の陰謀論とも言われるものではないでしょうか。
Xを見ていると、日本があたかも中国に支配されるような投稿が見受けらますし、それを鵜呑みにするとすべての外国人を疑いの目で見ることになります。
世の中分からないことだらけですが、フェイクニュースではないか?と思って調べてみるのも大事だなと思いました。