【笑うマトリョーシカ】第2話:あらすじと考察(玉山鉄二) 

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清家一郎は不思議な人物だ。自分の主張や個性が一切ない人物のように見える。だが、そんな人物が果たして大臣にまで上り詰めることができるだろうか。

実は清家は、完璧に暗記するずば抜けた能力を持っていた。もしも、誰かに指図されたとおりに演じ切ることができるとすれば…

香苗は想像しながら、背中がゾクっとする感覚を覚えた。

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目次

残されたノート

香苗の家はバケツをひっくり返したような、散々な状況だった。

荒らされた現場

香苗の部屋はあらゆるものをひっくり返され、散々な状態であった。香苗の母が心配そうに立っている。

「ねえ、盗まれたのは、あの人の取材ノートが入って段ボールだけなんだよね。何調べてたの?」

「BG株事件。お父さん、また追ってたみたい。」

「お父さんの事件と関係ないわよね」

「それはさすがに考えすぎでしょ。」香苗は否定した。

鳥かごからロッキーがいなくなっていた。部屋が荒らされている最中に逃げ出したのだろう。

「そのロッキー、なんで勇ちゃんが置いていったか分かる?あなたが一人にならないようにするためよ。」

香苗のぬぐえない過去

香苗がある政治事件を扱っていたとき、キーパーソンの柏木という秘書をずっと追って、ついに秘書に内部告発させたことがあった。特ダネ記事になり、香苗は記者として賞賛された。

だがその裏で、秘書は自殺未遂をした。あなたのせいだと家族に罵倒される香苗。

香苗は、今もその光景を忘れることはできなかった。

柏木の自殺未遂は大きくメディアでも取り上げられ、香苗の顔写真も皆の知るところとなった。今でも、自分に対するネットの中傷が絶えないのだ。

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子供にまでユーチューバーが

ユーチューバーが、勇気(香苗の子ども)にまで近づいてきた。子供を守るために必死で逃げる香苗。

「勇気は僕が育てる。勇気にもしものことがあってからでは、遅いんだよ。別れよう。」香苗は夫(和田正人)から切り出された。

ロッキーはどこへ

香苗は仕事が終わってから、鳥かごを手にロッキーを探していた。貼り紙もした。

無事だった1冊のノート

ノートはすべて盗まれたと思っていたが、一冊だけ無事だったノートがあった。贈収賄にかかわった人間のリストが書いてあるノートだ。

そのノートを見ながら、香苗、山中、青山は屋上で話し合った。BG株事件と香苗の父の事故との関係は?この論文がもし鈴木が清家に書かせたのだとしたら、鈴木は彼を操って何をさせようとしているのか?

いずれにせよ、この事件は触れてはならない何か大きな背後関係があるのでは?

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清家の過去と謎の女

香苗は、清家の著書「悲願」を読んでいるうちに、様々な事実に気が付き始めた。

武智先生との出会い

香苗は「悲願」を読み進めていた。清家は大学生のころ、地元で武智議員と会っている。鈴木からの紹介だった。当時大学生だった清家は、武智からは多くのものを学び、尊敬しているようだ。

だが、清家が27歳のとき、武智は自動車事故に巻き込まれて急死した。

香苗は驚愕した。事故の状況が、自分の父のそれと全く同じだったからだ。相手は無職。だが、示談を申し出て多額の金額で解決しているという点まで同じだった。

なぜそんな大金を払えるのか?

武智の急死と清家の初当選

武智が急死し、補選が行われた。清家は出馬し、初当選することができた。清家は27歳にして、武智の地盤を受け継いだ。

まさか、鈴木が仕組んだ?そこまでして、急いで清家を政治家にしなければならなかった理由とは?

清家を操る鈴木?

清家は定例記者会見の場に臨んでいた。その場で取材していた香苗は、鈴木の手元にある一枚の紙を見逃さなかった。

どうやら、清家はその紙の通りにしゃべっていたようだ。

まだ彼らが高校生の頃。鈴木は武智先生が演説している音声や録画を利用し、鈴木に武智先生の身振り、手振り、話し方まで覚えさせていた。

そして、それが今の清家一郎を作り上げたのだ。

料亭のご主人

香苗はまた清家に呼び出された。なんと、料亭の主人は佐々木。清家と鈴木の高校の仲良し3人組の一人だ。彼は料亭の主人でもありながら、清家の後援会の会長という役目も担っていた。先日、香苗と清家の話に聞き耳を立てていたのも佐々木だ。

店に入ると、清家が待っていた。「議員会館から近いから、たまにここでランチ食べるんですよ」

筆者の意見

いやいや、そんな気軽に料亭を貸し切りにしなくても…税金ですよ!

佐々木は、この時の二人の会話も盗み聞きし、誰かに電話で報告している。この謎の女は誰?(役者は高岡早紀)

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鈴木が交通事故に

鈴木が交通事故にあった。幸い命はとりとめたが、ベッドで安静にしていなければならない。

これより前に、香苗は青山に、鈴木の行動を監視するように頼んだ。青山も、鈴木の事故に巻き込まれていた。

大急ぎで病院に駆け付けると、幸い青山は軽傷だった。謝る香苗。

帰り道、「インコを探しています」の貼り紙を見た香苗。息子の勇気が手描きで作ったチラシだ。ロッキーを逃がしてしまい、申し訳なさで一杯だった香苗だが、逆に勇気に救われたような気持ちになった。

清家の元恋人

香苗は、論文と「悲願」を読み比べて、あることに気が付いた。文章の書き方が違うのだ。おそらく、論文は清家が書いたもの。悲願は鈴木が書いたものだろう。

だが、悲願の中で、一部分だけ清家が書いたであろう部分があった。大学時代の恋人「美恵子」に関するものだった。なぜここだけ清家が書いたのか?それだけ、彼女に思い入れがあったということか?

香苗は青山と共に、調べることにした。

映画館での出会い(回想シーン)

清家が大学生のころ、映画館である女性と出会った。同じ大学ということで、二人は意気投合した。

彼女は博識だった。のんびりしていた清家に、のんびりしているヒマはないとたきつけた。

「ジャニスジョプリンだって、バスキアだって、27歳で死んでるんですよ。私たちは21歳。あと6年しかないとしたら?」

卒論で主張逆転

香苗は、論文に名前が書かれていた教授を訪ねた。教授は清家のことを覚えていた。ただ、香苗が持っていた論文は、卒業論文ではなく、3年の時のレポートだった。

卒論は別にあった。同様のタイトルだったが、主張がまるで違っていた。3年の時のレポートではハヌッセンを称賛していたのだが、卒論ではハヌッセンを批判していた。

3年と4年の間に、何があったのだろう。

恵美子に会ったのもそのころだった。彼女が関係しているのだろうか。

27歳の初当選と、43歳の死

清家は、この日を境に「27歳」という年齢を意識するようになった。

武智議員が突然亡くなり、清家が初当選して地盤を引き継いだのは27歳。偶然だろうか。

ヒトラーを操っていたハヌッセンは、43歳で暗殺された。43歳と言えば、今の清家と同じ年だ。

と言うことは、鈴木も43歳。

43歳の鈴木は、交通事故に会った。これも偶然だろうか?

同じことを、鈴木も病院のベッドで考えていた。

大学3年 東京(回想シーン)

大学3年。東京。鈴木は喫茶店に呼び出された。

そこに座っていたのは、恵美子と清家だった。

「はじめまして。清家君のハヌッセンさん。」

「付き合ってるんだ、僕たち」清家は恥ずかしそうに言った。

背後に誰がいる?

この事件には鈴木が大きく関係している。だが、鈴木の背後には、さらに誰かがいる。その誰かが香苗の父の死とも深く関係している。香苗は確信していた。

丸山は、そんな香苗に何か大きな災難が降りかかるのではないかと心配していた。

「どこ行くんだよ?」

「清家さんの元恋人、恵美子さんを捜します。まずは清家さんに話を聞こうかと」

そのとき、香苗の携帯が鳴った。清家の制作担当秘書、坂本からだった。

「申し訳ありません、清家は今後一切、あなたの取材は受けないことになりました。清家本人の意向です。ご了承ください」

清家はただ、マトリョーシカを見つめていた。

ロッキーの謎

逃げ出してしまったロッキーは帰ってくるのか。さらに今回、香苗の母が、セキセイインコが頭についたボールペンをプレゼントしている。何度もそのボールペンが登場するので、ここに何か仕掛けがあるのかと思ってしまうが…考えすぎだろうか。

筆者の意見

お母さんからのプレゼントですからね、まさか盗聴器が仕掛けられているとか、ないと思いますけど。

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