追記:石破茂 vs 高市早苗 2024総選挙:裏金議員の一部を非公認に!

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10月27日、衆議院議員選挙の日。この日、自民党は議席を大きく減らすのか?それとも、野党連合がなし崩し的にバラバラになり、自民と公明で何とか過半数を維持するか。

だが、本質はそこではない。今回の選挙は「石破と高市」の戦いである。本記事は「石破は高市一派を封じ込めることができるか」について解説する。

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緊急追記:裏金議員で説明責任を果たしていない議員を非公認に!(10月6日)

石破総理大臣は、次期衆院選の自民党の裏金事件に関係した議員の公認問題について、党の処分の重い人で説明責任を果たしていない議員らを非公認とする方針を明らかにしました。

石破総理 「党則で定めております8段階の処分のうち、

1、選挙における非公認よりも重い処分を受けたものについては非公認とする。

旧安倍派幹部の西村康稔元経産相、下村博文元文科相、高木毅元国対委員長


2、また、選挙非公認よりも軽い処分であっても現時点で引き続き、処分が継続しているものについては政倫審で説明責任を果たしているものを除き、非公認とする。

萩生田光一元政調会長、三ッ林裕巳衆院議員、旧二階派の平沢勝栄元復興相ら


3、さらに処分を受けたその他の議員のうち、説明責任が十分に果たされず、地元での理解が十分に進んでいない、そのように判断されるものについても非公認とする」  

三ツ林裕巳、武田良太あたりは非公認か。

石破総理は「相当程度の非公認が生ずることとなる」と述べたうえで、「公認権者として責任を持って最終的に判断していく」と強調しました。  さらに派閥の政治資金パーティを巡り不記載があった議員全員の比例重複を認めない方針を明らかにしました。

杉田水脈(みお)氏(前回比例単独)は比例名簿非搭載 

また石破総理を含め自民党四役についても「ともに責任を果たしていく」と述べ、比例重複しない方針です。

ここから先は10月6日以前に書いた内容ですので、「裏金議員も原則公認」という朝日新聞の記事をもとにしています。朝日新聞が先走りすぎたとも言えます。

高市早苗、執行部入りを拒否

自民党総裁選、決選投票で敗れた高市早苗は、石破茂から打診された「政調会長」を固辞し、「党内野党」を宣言した。

高市一派を沈静化するには、早期解散が一番の得策だと判断した石破茂。総選挙で高市一派(旧安倍派)を非公認とし、高市勢力を弱体化させることが当面の目的だった。

果たして、そんなことが可能だろうか。

10月27日の総選挙で、石破茂の対抗馬は立憲民主党ではなく、安倍勢力を基盤に持つ高市早苗だと言えるだろう。

石破の敵は高市早苗とコバホーク

石破人事を拒否して、党内野党を事実上宣言したのは、高市早苗とコバホークこと小林鷹之(こばやしたかゆき)の二人。

小林 鷹之(こばやし たかゆき)

高市早苗は総務会長を打診されたが固辞した。実は、高市早苗は「当然自分がまかされるのは幹事長のポストだろう」と思っていた。

以前、石破茂が総裁選で安倍晋三に負けたとき、安倍は石破に幹事長のポストを与えたので、今回も決選投票で石破と同じように負けた自分には、幹事長ポストが回ってくると信じていたのだ。

だが、打診されたのは幹事長ではなく、総務会長。

「幹事長」は総理の女房役とも言われるほど、権限が大きい。総務会長は幹事長と比べると、できることが限られており、ゆえに力も弱い。

幹事長ではなく、総務会長に高市を充てたということは、石破茂には高市早苗を重用する気はさらさらなかったということだ。

だが、高市には離党して新党を作るほどの力は党内で持ち合わせていない。ここは、石破から提示された人事を断り、党内野党を宣言して自分の力を固めるのが先決と考えたのだろう。

広報本部長を固辞した小林鷹之

かたや、小林鷹之は石破から広報本部長を提示されたが、こちらも高市と同じく固辞。辞退した理由は「私を指示してくれた方々にそのポストをお願いしたい」と言うことだったが、本音は「重要な閣僚に指名してくださいよ」というのが本音なのだろう。

だが、小林鷹之はまだ当選回数は4回。自民党内からは「若手から担がれたからと言って、何様のつもりだ」と思っている議員が多いことだろう。

大臣になるのは、衆議院議員なら最低5回は当選経験がないと難しい。

自民党の原則として、首相から示された人事は断らない、というものがある。断るとしたら相当の大物に限られる。それを断った小林鷹之に対しては、自民内部からの反発もかなりあると思われる。

「人事を拒否する」ことは、拒否した本人にとって大きな痛手となるのだ。

麻生を最高顧問に

石破・森山コンビは、政治経験も豊富。特に森山幹事長はこれまでどの派閥からも重用され、なかなかの業師だ。

本来、石破政権は「脱・安倍派」「脱・麻生派」を目論んでいたが、決選投票で敗北した後に高市と小林が反旗を翻したので、「脱・安倍派」を優先することにした。

というのも、高市と小林の背後には、安倍派、安倍チルドレンの面々がそろっているからである。

今回、麻生を自民党の最高顧問に迎え入れた。と言っても、最高顧問はただの看板で特に権限がないが、とりあえず麻生のメンツは保たれた。

麻生の義弟の鈴木を総務会長に

さらに、麻生の義理の弟にあたる鈴木俊一を、総務会長に抜擢した。高市が拒否したポストに、鈴木氏を充てたことは大きな意味がある。

鈴木俊一総務会長

麻生太郎を最高顧問に、鈴木俊一を総務会長に処遇し、高市早苗と小林鷹之は党内で孤立することになった。このあたり手練手管は森山氏が一歩も二歩も上である。

選挙地盤が弱い安倍チルドレン

高市の後ろについている安倍チルドレンは、当選回数もまだ少なく、地元で盤石な基盤を築いているとは言い難い。いざ選挙となったら、党内で結束している余裕などない。地元に帰ってご挨拶まわりをしなければ当選は危うい。皆、自分が当選することが一番優先されるのだ。

自分のことで精いっぱいの安倍チルドレンは、皆で一致団結して石破政権に反旗をひるがえそうなどと、思ってはいても実行できないのは当たり前である。

高市早苗の推薦人の半数以上が裏金議員

ところで、自民党総裁選に立候補するためには、国会議員の20人が推薦人として必要である。

高市早苗の場合、20人の推薦人のうち13人が「裏金議員」だった。そのことを問われた高市は「人にまかせてあったので、私も今日新聞を見て初めて知りました」とシレっとのたもうていたが、そんなわけあるまい!

裏金議員を全員「非公認」にするかと思ったが

今回の総選挙で、石破は高市一派(安倍派の面々)を一掃するために、裏金議員を全員、あるいは一部を「非公認」とする意向だった(総裁選前までは)。

だが、今回、裏金議員は原則「公認」することとなった。このことで世論も野党も「言っていたこととやっていることが違うじゃないか」と息巻いているが、この理由は2つあると思っている。

1つ目は、単純に「解散、総選挙が早すぎて他の立候補者を立てる時間がない」こと。

2つ目は、「公認してやる代わりに言うこと聞けよ」と暗黙の了解が成り立っていること。石破氏は最後まで「裏金議員」を公認するか、非公認にするかを明らかにしてこなかった。この間、裏金議員たちは内心戦々恐々としていたことだろう。

あくまでも推測だが、事実とそんなにかけ離れてはいないと思うが、どうだろう。政治は表と裏が違うのが当たり前なので、どんなことも真正面からとらえていては、真実の姿は見えてこない。

今回も、海千山千の森山氏の知恵が働いたと思っている。(石破茂はこういった駆け引きが苦手)

「裏金議員」全員公認で、世論は納得するはずがない

自民党的には、ひとまず「裏金議員」全員公認、比例名簿から外されることもなく、ひとまず安心していることだろう。

だが、世論はそうはいかない。世論をバカにしてはならない。私たち有権者は裏金のことを忘れているわけではないからだ。

そもそも、税金も納めず、ただ金を受け取ってなんの報告もせず、逮捕されるのは事務方のみ(かわいそうに)。

有権者からは税金を平気でむしり取っているくせに、自分たちは何食わぬ顔でガッポリそのまま金を手に入れているという体たらく。とても許せるものではない。

東京地検も、大物議員逮捕かと色めき立ったが、色めき立ったのは国民だけで、実は東京地検は国民のために動いていないことが明らかになった。彼らは大物議員のために働いているに過ぎないのだ。

有権者をなめると痛い目に会う。国民はそんなにバカではない。石破氏も、目指しているものは間違ってはいないが、やり方を間違えると取り返しのつかないことになる。

自分のまわりだけを固めるのではなく、国民を味方につける術を学ばないと、意外と短期政権かもしれない。

さらに、選挙後に高市一派がおとなしくなるか否か。「一寸先は闇」の世界が政治だ。

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