松本人志が自分から訴えた裁判を取り下げた。週刊文春で女性に対して性的虐待をしたことを事実無根だとし、文春編集長を訴えていたが、自ら取り下げてしまった。なぜだろう？
この記事では、松本が裁判をやめた理由と、松本の今後について徹底考察する。
松本人志、なぜ裁判をやめたの？
ダウンタウンの松本人志が、自分から週刊文春に訴訟をおこしておいて、結局は自分から訴えを取り下げた。いきなり裁判が打ち切りになったということだ。
つまりは、「オレ、何もやってない」というスタンスを変えたということになる。つまりは、「女性に性的行為を強要した」とする「週刊文春」の報道を、認めたと同じことだ。
松本は、事実無根の記事を書いた（とする）週刊文春の編集長に、5億5000万円の損害賠償などを求めていた。ずいぶんな額であるが、一切の金銭的取引無しで、いきなり裁判が打ち切られるという前代未聞の事態になった。
誰もが「え？」と思うような急転直下で裁判が幕を下ろしたわけだが、なぜ松本はこのような終わり方を選んだのだろうか。
「勝てる見込みがない」
「女性が裁判の証人として出廷することは避けたい」
「このままズルズルと引き延ばすより、とっとと終わらせて早く芸人として復帰したい」
など、様々な理由が考えられる。
裁判で負けたほうがまだマシだった松本
自分でおこした裁判を自分でやめた松本。身の潔白を証明することはできなかった。途中で終わらせたのは、松本にとって「百害あって一利なし」だ。自らの非を認めたと同じことだから。
まだ、最後まで「オレは無実です」と言い張って負けたほうがよかった（松本にとって）。なぜなら、自分は最後まで身の潔白を主張したわけだし、裁判で負けはしても、とりあえず「決着」は着くからだ。
だが、今回訴えを取り下げたことにより、決着はつかなかった。宙ぶらりんで終わった形になり、話は最初に戻るだけだ。
誰の入れ知恵か知らないが、こうなった結末は自分で責任を取るしかない。松本は誰を責めることもできない。自分を責めるべきである。
地上波でのTV出演は無理だろう
松本がしたことは、限りなくクロに近い「不同意性行為」である。（たぶんね）
今、世間をにぎわせている国民民主党代表・玉木氏の「元グラドルとの不倫」問題とはわけが違う。玉木氏は犯罪を犯したわけではないからだ。
松本は、今回訴えを取り下げたことで、国民から「犯罪を犯したのではないの？」と疑念を持たれてもまったく言い訳はできなくなった。
そんな人間は、今の時代テレビには出られない。テレビの番組にはスポンサーがつきものだが、スポンサーが一番嫌うのは「コンプライアンス違反」だ。特に嫌がるのは、性犯罪だろう。これは、ジャニー喜多川問題で決定的になったし、ジャニーズの問題で各放送局は新たに「性犯罪」関連のコンプライアンスをより強固にしたはずだ。
松本のような人間は「とても怖くて使えない」とスポンサーが口をそろえて言うことは間違いない。
スポンサーがつかなければ、テレビ局がいくら視聴率が取れると見込んでも、松本を使うことはできない。
性犯罪ではなくとも、ただの不倫でずっとテレビで干されっぱなしでいつ戻ってくるか分からないタレントや芸人はたくさんいる。
SNSでは「これで年末年始の番組にまっちゃんが戻ってこられる」と脳天気なことを言っている人が多数いるようだが、本当に「あなたの頭はおめでとうございます」と思ってしまう、申し訳ないけれど。
今、この時期（11月中旬）で年末年始の番組はもう編成は終わっているから、松本がすべりこむ余地はない。万が一、どこかの時間帯にすべりこむ余地があったとしても、スポンサーが下りてしまうから無理だ。
松本の謝罪文が「火に油」だった
今回、訴えを取り下げるにあたり、松本からコメントが発表された。以下の文面はコメントからの抜粋である。
「松本において、かつて女性らが参加する会合に出席しておりました。参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます」
上記の文章の赤線の部分「参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば」という文言が、被害女性のみならず、多くの国民の間で批判されている。
「いらっしゃったのであれば」謝るけど、別に謝りたくもない、という松本の気持ちが、全面的に表れているからである。松本は、「謝る道理もないけれど、とりあえず謝罪文は出しておきますよ」的なスタンスを取り続けているのである。これでは、火に油を注ぐだけだ。
おそらくは、松本は「自分は芸人のトップオブトップである」と勝手に思い込んでいるから、間違ったプライドが頭の中に君臨しているのだろう。
だが、そんなちっぽけなプライドはかなぐり捨てたほうがよかった。多くの識者が言っているように、この問題が文春で報じられたときに、最初に「申し訳ありませんでした」と謝っておけば、これほど大事にはならなかったはずである。
世の中、自分が偉いと思っている人ほど謝らないものだ。芸人であれ、政治家であれ、公務員であれ。皆さん同じです。ご愁傷様ですと言うしかない。
今後の松本：吉本演芸場かYouTube
松本は、一番出たい地上波TVに出ることはないだろう。民放と言っても「公共の電波」である。松本が公共の場に出ることもない。
だが、吉本は松本をドル箱だといまだに思い込んでいるし、松本のコアなファンも存在するから、吉本の演芸場に出ることはできるだろう。
そして、配信としては、YouTubeという手がある。これは、干された芸人の行きつく場所である。もっとも、YouTubeも甘くはない。ただYouTuberとして配信したとしても、「面白い」「頻繁に更新する」ことをしないと、すぐに飽きられてしまう。見習うべきは「エガちゃんねる」だ。彼の動画を見て、勉強するとよい。いかにYouTubeで稼ぐのが過酷だから、思い知るだろう。
今後の松本人志：まとめ
今の日本は、不倫や性的なスキャンダルに対して非常に厳しい目を向けている。一度底に落ちたら、なかなか這い上がることができない。
国民が許さない（特に女性は絶対に許さない）から、スポンサーも怖くて尻込みする。テレビに出るのは金輪際無理だと思ったほうがいい。それが今の日本である。
都知事選に立候補した乙武氏も、何年も前の「不倫」報道がいまだに尾を引いているので、女性ファンからそっぽを向かれ、創価学会の婦人部からも大反対を受け、5位という惨憺たる結果になった。女性の視点を見誤ったのが、選挙対策本部の大きな過ちだ。
だが、松本のファンは一定層は存在するだろうから、吉本の演芸場には出られるだろう。あるいは、YouTubeで配信してもファンは観てくれるだろう。今は配信してもあまり稼げないから、有料チャンネルに引っ張るしかないのではないだろうか。
今後の松本人志に注目していよう。