【極悪女王】第5話:最後の仲間:丸刈りの長与(唐田えりか)あらすじ・どこよりも詳しく

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総当たり戦のグランプリでは、総意に反して飛鳥がチャンピオンになった。武道館での戦いは、飛鳥とジャガーという地味な組み合わせになり、会社側は面白くなかった。

次に待つのは大阪城ホール。松永には会場を満員にする秘策があった。その秘策とは?

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目次

1985年 大阪大会

武道館大会の一週間後に開催される大阪大会。どうしても1対1で決着をつけたいという松本と長与の申し出があった。

今回は、敗者が髪の毛を切られるという、「敗者髪切りマッチ」となった。

会見場で、チキンを一羽丸ごと手づかみでぶら下げる松本。チキンを切り裂きながら、「お前の息の根を止めてやる」と千種に宣戦布告した。

テレビ局側は、どうしても千種に勝たせたかった。人気があることはもちろん、千種は秋にミュージカルも決まっている。千種に髪を切らせるわけにはいかないのだった。

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大阪は長与千種に勝たせろ

テレビ局側から、大阪会場の「ダンプ松本 vs 長与千種」の対戦は、長与に勝たせろと会社に通告してきた。

「長与に勝たせたら、お前に1000万払う」と松永に言われ、松本はその旨の念書にサインした。もちろん、長与千種も自分が勝つようにシナリオができていることは知らされていた。

ダンプの父、五郎は健康がすぐれなかった。長年の飲酒がたたって、禁酒しなければいつ心筋梗塞になってもおかしくないと、医者から宣言されていた。

「髪切りデスマッチ」当日

いよいよ大阪城ホール。「髪切りデスマッチ」の日がやってきた。

松本家は、娘のダンプに家を買ってもらっていた。里子と五郎は、テレビ中継でこの試合を見ようとしていた。(途中、五郎は観ていられなくて立ち飲み屋に行ってしまうが、そこで広美と彼氏にばったり会うことになった。)

国民的アイドルの千種と、全国民の敵ダンプのデスマッチだ。視聴率も期待できるとテレビ局の期待は高まっていた。

今日は反則決着はNGだ。レフェリーにも反則での決着は無しと、きつく指示してある。

極悪同盟、竹刀を持って入場。先頭はもちろんダンプ松本。リングサイドを一周して、リング内に登場。

長与の入場は拍手喝采を持って迎えられる。リングも赤いライトに染まり、長与は馬に乗って登場。時間無制限敗者髪切りデスマッチ。

なんとリング上には謎の覆面レスラーが登場し、それを指摘した長与が試合前から攻撃されるという異常事態に。

試合前から大阪城ホールでは「帰れ」コールが巻き起こっている。それを喜んでいるかのような極悪同盟。先ほどの覆面レスラーが覆面を取ると、なんとそれは松本だった。ということは、最初に登場した人物は松本の影武者ということか。

松本は、試合最初からいつものチェーンを使っている。毎度の反則攻撃だ。

場内は大「千種」コール。千種も負けてはいない。フォークを持ち出した松本は千種の額に突き刺す。レフェリーも突き飛ばされるという悲劇。千種の額からは大量の血が流れだす。

頭を踏みつけられる千種。千種も負けていない。松本にコブラツイストをかける。さらに、さそり固めにも入る。

試合は白熱しているが、そろそろ千種に決めてもらわないといけない時間だ。

今度はダンプが長与の足をつかんで、さそり固めの態勢に入った。これは本来は長与の得意技だ。

ダンプは技をとき、場外戦に持ち込む。長与が凶器で攻撃した。一斗缶を頭から振り下ろす。松本は倒れこんだ。

リング上でも一斗缶を振り下ろし、ハサミを振り下ろそうとする。そのハサミを取りあげ、ハサミを長与の額に刺す。レフェリーもあられ、場内はもはやプロレスとも言えない。これは放送してよいのか。

レフェリーのコントロールも効かない。リング上ではマイク攻撃をする松本。誰も松本を止められない。誰も直視できないほど残酷な戦いがテレビ中継されている。

松本はついにチェーンを持ち出した。五郎も、広美も、やめてくれと心の中で願う。

ライオネス飛鳥がタオルを投入。もうやめろという合図だ。タオルを投げ返す千種。さらに投げ返す飛鳥。

プロレスでは、セコンドがタオルをリング内に投げ込むと、降参の合図

松本が椅子を千種の頭に振り下ろす。千種の顔は血で真っ赤だ。

千種の負けは許されなかった。

10カウントノックアウト。髪を切られるのは千種だ。

無理矢理リング上の椅子に座らされる千種。大混乱のリング上。

レフェリーによって、千種の髪の毛が切られた。

松本がバリカンを持ってきた。千種の髪をバリカンで剃り始める。壮絶な場面。

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テレビ中継は打ち切り 丸刈りになった千種

大阪城ホールでの対戦直後から、テレビ局には抗議の電話が鳴りやまず、トヨテレビは今後の女子プロレス中継の放映の打ち切りを決定した。

会社としては、テレビの打ち切りは金銭的に痛い。だが、打ち切りになるほどの衝撃を世間に与えたのだ。これからも松本には、どんどん暴れてどんどん稼いでもらわなければならなかった。

丸刈りになった千種は、ダンプとの試合の録画をアパートで見ていた。飛鳥が訪ねてきた。

長与千種(唐田えりか)は本当に丸刈りになりました。これは特殊メイクではありません。彼女の役者魂にあっぱれです。

一緒に練習を始めようと、誘う飛鳥。だが、ほっといてくれと突っぱねる千種。千種はもうクラッシュ・ギャルズは解散するしかないと思っていた。

ジャガー横田も、自分の引退を考えていた。会社からあまり期待されていないことに気づいていたジャガーは、自分の引退までクラッシュ・ギャルズは続いてほしいと思っていた。

ジャガーに「逃げるなんてひどい」と訴える飛鳥。だが、飛鳥の声はもうジャガーには届かなかった。

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五郎 危篤の報せ

里子から電話がかかってきた。「お父ちゃん、今夜が峠だって」

車を飛ばして病院に駆けつける松本。

五郎はもともと弱い人間だった。酒を飲んで強がっていないと生きられない人間だったのだ。

先生がやってきた。なんと手術は成功だ。死ぬと思っていたのが、まだ生きると?里子と松本は大笑いして抱き合った。殺したいほど憎んでいた父親、五郎。五郎によってダンプ松本というキャラクターが生まれ、成功した。人生何が転ぶか分からない。

父も病気をして以前とは打って変わって丸くなった。年老いた親を見るのはつらいだろう。それにしても、親に家をプレゼントするとは、やっぱり松本香は優しくて親孝行なのだ。

「ジャッキー佐藤」復活

ジャッキー佐藤は、またプロレスを始めることにした。新しい組織「ジャパン女子プロレス」で現役復帰することを決め、記者会見を開いた。

松永たちは、ジャッキーが恩をあだで返したことに怒りを覚えたが、まだ会社にはクラッシュ・ギャルズと極悪同盟がいるので、影響はないと高をくくっていた。

松本と千種は前のような関係に戻っていた。二人は昔のように、リング下で寝転がって話し合った。なぜ自分たちは憎み合って試合をしなければならなかったのか。強くなりたいと思ってここまでやってきたが、本当に強くなったのだろうか。

答えは見いだせなかった。

ダンプ松本、突然引退を宣言する

ダンプは相変わらずヒールとして活躍していた。試合後の記者会見で、突然「ダンプ松本は引退する」と宣言した。

会社は「来季までダンプ松本の名前で興行がびっしり入ってる。契約があるんだから引退は無理だ」とダンプに告げた。

ダンプは「ジャッキーさんは切ったくせに。人気がなくなると、シリーズ途中だろうがなんだろうが、会社は簡単に切るじゃないか」と社長に迫った。

一方、千種は千種で会社に断りもなく記者会見を行っていた。「ジャッキーさんが立ち上げたジャパンプロレスと対戦したい」と。

会社内でも統一が取れなくなり、誰もコントロールできなくなっていた。

ダンプ松本の引退試合が決まった。

ダンプ松本引退試合

いよいよ、ダンプ松本の引退試合の当日だ。

竹刀を持って威嚇しながら入場するダンプ。放送席には本庄が座っている。この姿を見るのも今日が最後だ。

リング上ではライバルのクラッシュ・ギャルズが待っている。ダンプがゆっくりとリングに上がる。

本日のメインイベント: 長与千種・ライオネス飛鳥 vs ダンプ松本・大森ゆかり

相変わらずのフォーク刺し、レフェリー(社長)にもフォーク刺し。場外乱闘、一斗缶、チェーン、パイプ椅子、これまでの狂気をすべて使っている。

ゴングが打ち鳴らされた。どうやらこれは、ノーコンテスト。無効試合となった。

血だらけになった飛鳥が、マイクを取ってダンプに問いかける。

「おい松本!お前が最後にやりたかったことは、これかよ!」

ダンプはマイクを取り返して会場へ向かって叫ぶ。

「おい、お前ら!これから本当のプロレスを見せてやる!」

千種に向かって叫ぶ。

「おい長与!こっちに来い!お前とは敵だけじゃ終われないんだ!立て、長与!」

長与もマイクを取った。「うちらにしかできないプロレスをやってやるよ!」

松本と長与が組む。大森と飛鳥が組む。組みなおして対戦だ。全員同期だ。

レフェリーは本庄が務めることになった。会社はこうなったら関係ない。

最後は、ダンプ松本としてではなく、松本香として戦った。

再試合のゴングが鳴った。

ダンプは正攻法で戦う。ダンプのクリーンファイト。手押しの力比べだ。お互いに技のかけあい。観客は大喜びだ。これぞ、まさにプロレス。

これは、彼女たちの戦いの物語。そう、これは、戦う少女たちの物語だ。

極悪女王 感想

極悪女王は、単に女子プロの昔をなぞったものではない。

現実におこった事を忠実に再現はしているが、極悪女王は家族の物語であり、仲間の物語である。

皆、それぞれの事情があってプロレスにたどりついた。松本香はろくでなしの父親と家庭の貧困という2つの要因で、大好きなプロレスの道に入った。長与千種も、小さいころ親に捨てられ、親戚をたらいまわしにされた悔しさをバネに、プロレスの門戸を叩いた。

だが、二人とも最後は親に感謝し、親に孝行している。見ている私たちも救われた気持ちになる。

女子プロレスには男性は存在しない。いるのは会社の松永3兄弟、安部、焼きそば屋のおっちゃんや、その他スタッフたち。もっとも、女子プロレスラーは酒、たばこ、男は厳禁だ。

すさまじい練習を耐え抜いた者だけが与えられる、リングという華々しい舞台。彼女たちは殴り合い、蹴とばし合い、吹っ飛ばしあい、血を流しながら戦う。壮絶なその戦いは美しさをも感じる。

ドラマの最後、ヒールもベビーフェイスも関係なく、自分たちの意志で組み合わせをやり直し、再試合を行った。それこそが彼女たちのやりたかった本当のプロレス。それこそが、観客が観たかった本物のプロレスだ。そこには男は介在しない。

ゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽をはじめとした、女性陣に心から敬意を表する。女として生まれてよかったと思うドラマだ。激しく厳しいシーンの多いドラマだが、終わってみると晴れ晴れとした気持ちになる。これからの人生に晴れ間が差したような、そんなドラマだ。

すべての女性に「極悪女王」を観ることをお勧めする。

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