【ブラックペアン2】最終回:「ブラックペアンの秘密が破られた」の意味は?

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8年前、佐伯が徳永の手術で失敗したと知った天城は、自分の手で徳永の手術を行うことを決意した。だが、思うように手術は順調にいかなかった。

この記事では、かねてから謎だった「ブラックペアンの約束」と、「破られたブラックペアンの約束」に絞って記述していきます。

ドラマ最後のネタバレはありませんので、安心してお読みください。

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目次

救いの手を差し伸べる佐伯

徳永の手術に手こずる天城。真行寺会長(石坂浩二)からも「オペを今すぐ中止するように」と指示される。

そこへ、スーツ姿にマスクの佐伯教授が入ってきた。

「手こずっているようだな」佐伯は天城に言う。

一同、驚いたように佐伯のほうを見る。

佐伯「徳永さんは、グラフトの採れない体で、ただでさえオペが難しい。そのうえ悪性高熱とはな。私がやめろと言った意味がわかったか」

天城「たとえムッシュのお願いでも、ボクは手術をやめませんよ」

佐伯「中からカギをかけておけ。誰にもオペを邪魔されないようにな。真行寺のほうは私がなんとかする」

天城「真行寺教授との仲はいかがなんですか?かつて、真行寺外科で寵愛されたムッシュが、8年前急に反目しあうようになったのは、ブラックペアンの約束が破られたから。違いますか?」

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回想:天城司から聞いた言葉

天城は、司が死ぬ前に天城に言った言葉を思い出していた。司はブラックペアンを天城に託して、なんとか声を絞り出した。

「ブラックペアンの約束は」

「破られた」

天城「約束?」

天城 vs 佐伯

天城「あなたが持ち去った手術記録には、『天城司によるバイパス手術』と書かれていた。」

天城「けど、なんでそんな変哲もない術式の記録を持ち出したのか、ボクには理解できなかった」

「だけど徳永さんの胸を開いて、やっとつながった。ダイレクトアナストモーシスしたでしょ」

「けどそのダイレクトアナストモーシスは失敗している。その失敗すら、隠ぺいされてる。これ、本当の術者は、あんたなんでしょ?」

天城は鋭く佐伯をにらんだ。

「しかも、その失敗したオペを、あなたはボクの父になすりつけた。そのことがバレて、真行寺会長との仲は決裂している。どうなんですか?」

佐伯「お前がどう思おうと、勝手だ。でも今は、目の前に解決せねばならんことがあるだろう。ここは、手を組まんか?」

佐伯は天城に歩み寄った。

「患者を助けたいんだろう?このオペが中止になれば終わりだ。私も、お前もな。真行寺先生は私が抑える。お前はオペに集中しろ」

新病院を作りたかった佐伯

佐伯は立ち去ろうとしながら、マスクを外してさらに続けた。

「ひとつだけ、言っておく。司先生も私も、なんとしてもダイレクトアナストモーシスを完成させたかった。なぜだかわかるか?お前の心臓は、ダイレクトアナストモーシスでしか治せないからだ。だから私は決めたんだ。新病院を作ることを」

新病院と聞いて、高階も反応する。

「そのために私は、一度は引退したオペの現場に復帰し、新病院新設のために邁進した。お前をセンター長にすえて、世界中から有能な外科医を集めれば、必ず後に続く者が現れる。そうすれば、お前の心臓を完治できる」

「新病院は、はじめからお前のためにあったんだ」

そう言って、佐伯は去っていった。

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使えなかった「橈骨(とうこつ)動脈」

徳永の手術は再開された。橈骨動脈をシャーレに入れるが、剥離していて使えないことが分かった。(橈骨動脈は腕の動脈)

「右腕も使いますか?」と助手。

天城「徳永さん昔カテーテルやってるから、右腕は使えないよ。解離していない部分を使うとしても、その範囲は3センチぐらいかな。ダイレクトアナストモーシスするにしても、1か所ぐらいかな」

ダイレクトアナストモーシスは3か所行う必要がある。

1か所だけダイレクトアナストモーシスをして閉胸しても、数か月後には心不全で必ず亡くなる。

すると、そこへ手術着に着替えた佐伯が入ってきた。もうひとつ方法がある。二人は同時に執刀する。

天城「いかがですか?パンドラの箱を再び開ける気分は?」

佐伯「天城、お前は思い違いをしている。8年前のあのオペを始めたのは、司先生だ。私は最後にオペを引き取っただけなんだよ」

いよいよ、ブラックペアンの約束の謎が明かされる時がきた。

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渡海と天城の極秘手術

「ことの発端は、まだ3歳だったお前と渡海の心臓血管移植手術だ」

「その翌日、極秘のオペが真行寺先生にバレたんだ。全員処分を覚悟したが、そうはならなかった。」

「真行寺先生はこの件を極秘事項として、お前を国外へ連れ出すよう命令した。しかし、真行寺先生の本当の狙いは、司先生にダイレクトアナストモーシスを託すことだったんだ」

20年前、真行寺先生の教授室

およそ20年前。真行寺教授はダイレクトアナストモーシスの論文を司に渡す

ダイレクトアナストモーシスの論文を読む、司、渡海一郎、徳永、佐伯。

「あの論文を読んだ時、私ちは震えた。この術式が可能になれば、あの子供の命は確実に助かると」

筆者の意見

あの子どもって、天城のことなんですね

「だがあの術式はあまりにも高難度だった。司先生は何度もシミュレーションを重ねたが、結局実現できず、真行寺先生は永遠にダイレクトアナストモーシスを封印するよう命じた」

8年前の真相

「しかし8年前、同じチームの外科医だった徳永さんが心臓の病で倒れると、司先生は禁断の術式、ダイレクトアナストモーシスに手を出したのだ。そのオペの成功の先に、お前の心臓を完治させるという執念があったからだ」」

8年前、佐伯が手術室に駆け込むと、手術台の前で手を震わせ、放心状態の司がいた。

シャーレにいくつもの血管。

佐伯が術野(じゅつや)を見ると、3か所、冠動脈が切離されていた。

佐伯「まさか、ダイレクトアナストモーシスを。天城先生、いったいこれはどういうことですか?」

司は、「すまない、すまない」と言って後ずさるばかりだった。

「失敗は続いたが、それでも司先生は胃の動脈までもグラフトに使い、禁断の術式に挑み続けた」

グラフト(ぐらふと、graft)とは、移植される組織や臓器(の一部)のことである(graftは「接ぎ木」の意)

なんとか一命はとりとめたものの、徳永さんは寝たきりの身になってしまった。そして禁断の術式に手を出したとして、司先生も私も、真行寺先生から断絶されてしまった。これが8年前の真相だ

ブラックペアンの約束の意味がわかった!

ブラックペアンの約束とは、「ダイレクトアナストモーシスを封印する」こと。そして、ブラックペアンの約束が破られたとは、「ダイレクトアナストモーシスの術式を司が行ったこと」である。

天城は、ブラックペアンの約束を破ったのは佐伯だと思い込んでいたのだが、実は自分の父、司だったと知った。

8年前のオペが徳永を救う

佐伯は、8年前のオペのことを思い出した。

司「すまない、佐伯くん」

佐伯「まさか、胃大網動脈まで使用するとは、思ってもみませんでしたよ」

司「徳永さんには、本当に申し訳なかった。胃大網動脈まで、無駄にしてしまった。なんとか、下腹壁動脈を保護するのが、精一杯で」

そうだ。下腹壁動脈が残っているはずだ!

「これなら、下腹壁動脈をグラフトとして使えますよ!」

天城「ってことは、ムッシュが言っていたことは、すべて本当だったんだ。いや、でも父は、なぜこんなことを?」

佐伯「わからんか?司先生は、未来のお前にかけたんだよ。今は無理でも、そのグラフトをお前に託したんだ。司先生は、幻の術式を完成させようと、昼夜を問わず練習に明け暮れていた。だが、それでも無理だったんだ。

いや、一郎先生も、弟の渡海も、私自身も、この幻の術式に挑み続けた。だが、だれ一人としてその高みには到達できなかった。

徳永さんが、自らの身体を惜しみなく差し出したのも、司先生はじめ、皆の思いを痛いほど感じ取っていたからだ。お前なら、やれる。それは、この世でお前ひとりだけが授かった力なんだ」

「メッツェン」天城は手術を始めた。

手術を見ながらその速さに驚く観客たち。

「速い。もう一本目の吻合(ふんごう)が終わったぞ」

「しかも全く出血してない。完璧な状態だ」

いよいよ3本目のダイレクトアナストモーシスに入る。

ダイレクトアナストモーシスは3本とも無事成功した。

L’operation est fini. Le coeur est si beau.(手術完了。心臓は美しい。ロペラシオン エ フィニ。ル クール エ シ ボ」

ダイレクトアナストモーシスを行えるのは天城だけ

天城の心臓を完治するには、ダイレクトアナストモーシスの術式が必要だった。だがその術式はあまりにも難易度が高く、誰も成功することができなかった。

ただ一人、成功者が現れた。それが天城雪彦だ。皮肉なことに、自分の心臓を治せるのは、世界でただ一人、自分しかいない。

そのことを知る佐伯は、スリジエハートセンター(新病院)を作り、天城をセンター長にして世界中から優秀な医者を集め、その中からダイレクトアナストモーシスをできる医者を養成する。そうすれば、天城は助かる。

新病院は、天城を助けるための病院だったのだ。(最終回にしてそれがやっとわかった)

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