結は翔也(佐野勇斗)のために献立を作り始めたが、どうもうまくいかない。相手のためになっていないのではないかと、思い悩む日々だった。
沙幸が陸上を辞めたわけ
結が栄養士の専門学校で自習をしていると、沙幸が教室に入ってきた。
自分の考えが甘かったことを知り、泣きべそをかく結。沙幸は、料理を食べる人間の体重、筋肉量、体脂肪量などを知らないと、献立が作れないと教える。相手の状態によって、献立が全く違ってくるのだ。
そんなことも知らなかった結は、自分の無力さにあらためてガクゼンとした。
沙幸は身の上を語り始めた。
陸上をがんばっていたとき、コーチから「100gでも痩せろ」と言われ続け、自らも痩せることはすべてやっていた。
タイムはどんどん縮まっていったが、ある時練習中に倒れてしまった。病院に運ばれ、「疲労骨折」との診断が下りた。
極度のダイエットで、骨がボロボロになっていたのである。沙幸は陸上を断念せざるを得なかった。
自分のような陸上選手を一人でも減らすために、沙幸は栄養士になる資格を取ることを決めたのだった。
豚まんは意外と栄養価が高い
沙幸は、結の献立を一緒に考えてあげた。
「食べるものが思いつかないときは、豚まんがいいよ」
「豚まん?」
「豚肉にはビタミンB1が含まれてるし、炭水化物とタンパク質もとれて、意外と栄養バランスいいんよね」
「へーー、そうなんや」
沙幸の豊かな知識に、結はただただ感服するのみだった。
私も豚まんがそれほど良い食べ物とは知りませんでした。チェックチェック!勉強になります。
さっちんはギャルやん
結は、沙幸の話を聞いて、まじめな顔をして言った。「さっちんは、ギャルやん」
沙幸は驚いて言った。「何いうとん。私、化粧とかせえへんし、ネイルもせえへんし」
「そんなの関係ない。好きなことを貫いとう人は、みんなギャルやろ」
結はマジだった。沙幸は冗談だと受け取ったが…。
ギャルは外見が大事だと思ったが…
「好きなことを貫いている人はみんなギャル」という結の言葉に、拒否反応をおこす人は多いのではないだろうか。
一般的に、ギャルは「見た目」で決まる。派手な化粧、派手なネイル、キラキラ・ジャラジャラのアクセサリーやギャルっぽいファッション。
「人は見た目が9割」という本があるが、ギャルかギャルでないかを判断するのは、自分ではなく、他人だ。
おそらく、結はギャルの掟が頭の中に刷り込まれており、ギャルに精神的なものを求めているのだろう。
栄養専門学校での浮いた存在のギャル
下の写真は、専門学校初日の結の恰好だ。どこから見てもギャルで、まわりの生徒と比べるとひときわ目立っている。まさにギャルだ。
ロングヘア、派手なアクセサリーとピアス、派手なネイル。これがギャルというものだ。ギャルは外面で決まる。
外見がギャルだと、内面も「頭が悪い」と思われるのがオチだ。いくら「人を外見で判断してはいけない」と言われても、なかなか難しい。
現に、栄養士の勉強をするためには、髪の毛も束ね、爪も短く切り、化粧も落とす。アクセサリーも邪魔だ。なぜなら、清潔な恰好で料理を作らなければならないからだ。
ギャルってそういう存在だ。だから、ギャルから「自分のやりたいことを貫くあなたもギャル」と言われたら、誰だって納得いかないだろう。
結は「化粧もネイルも関係ない」と言うが、化粧もネイルもしていなければ、それはギャルではないから。
さて、みなさんはどう思いますか?