「つきあう相手、考えたほうがいいよ」ときつい言葉をアユから浴びせられた結は、泣きながら家を飛び出し、いつもの海辺へ向かう。
涙にくれながら、結は神戸に住んでいた幼い頃のことを思い出していた。
大好きだった姉と、真紀ちゃん
結は当時5歳。姉のアユは14歳。年が離れているせいか、二人ともとても仲がよい姉妹だった。アユは親友の真紀を家に連れてきた。結も真紀のことが大好きだった。
セーラームーンに憧れている結は、髪の毛をアユに「やって!」とせがむ。「いいよ」と優しく言うアユ。
その間、真紀は、持ってきた安室奈美恵のCDをかける。真紀はCDをアユにプレゼントした。
父の聖人は床屋をやっていた。商店街では「アーケード」を作ろうという話になり、聖人に代表になって交渉にあたってくれないかと、商店街の仲間たちが頼みに来ていた。
聖人は迷ったあげく「いいよ、オレに任せてくれ」と請け負うが、妻・愛子は「安請け合いだ」と心配していた。
決裂
聖人はさっそく商店会の会長・渡辺孝雄(緒方直人)にアーケードの設置を交渉に行くが、「そんなものいらない」の一点張りだ。どうやら渡辺はこの「さくら商店街」で一番偉い存在のようだ。聖人がいくらアーケードの重要性を説いても、渡辺は聞く耳を持たなかった。
渡辺の娘が、なんとアユの親友の真紀だった。渡辺は娘の真紀に「アユちゃんとはもう遊ぶな」と命令する。
親同士の仲たがいが、子どもにまで影響するのは誰も納得できなかったが、渡辺は妻が死んでから意固地になっているらしく、頑として言うことを聞かない。
アユも真紀も困り果てていた。
ハギャレン解散?
想い出にひたっていた結が我に返ると、ハギャレンのみんながそばに来ていた。
ルーリーが言う。「ハギャレン、解散しようと思う。アユさんのためにやってきたんだけど、アユさんにつぶせと言われたら、続けていく意味ないから」
4人は力なく立ち去っていった。
アユのライバル現る!
アユは家を出ることにした。母親が止めても聞かなかった。結と喧嘩して、もうアユには居場所がなかった。これからどうすればよいのだろうか。
そんなことを考えながら、夜の天神を一人で歩いていると「アユじゃない?」と声をかけてきた女がいる。
「えーっと」とアユが記憶をたどろうとする。あるいは、知っていたのに知らないふりをしていたのかもしれない。
「うち!天神乙女会の明日香!忘れたん?ギャル時代、あんたらハギャレンと敵対しとった。やっと会えた!うち、あんたときっちり勝負つけたいって思っとったんよ」
「勝負つけた」とは何やら不穏な動き…それにしても、派手なお姉さんだ!