ついにその時がやってきました。福の父親が帰国します。母は福のことを守ってくれますが、父はどういう態度をとるでしょう。
ドキドキしながら観ていきましょう。
「産む」決意をした福、同意する宝
「宝、生まれてきてくれてありがとう」と、福は宝に心からの言葉を発します。
でも、本当は、その言葉はお腹の中の子どもに言いたかった言葉です。なぜか、その言葉が天から降りてきたようです。
宝は、子供を産む決意をした福に、うんとうなずきます。
でもこの二人、16歳。なんといっても若すぎる。特に福は顔も子供っぽいし、子供が子供を産んでどうなるんだろう、とテレビを観ながら思ってしまいます。まあ、顔は関係ないですけどね。
矢沢は合唱祭で歌を歌いたくない
福の高校では、合唱祭が迫っていました。福の大親友の矢沢は、どうしても歌を歌いたくないと先生に詰め寄ります(前回の話)。
矢沢は、福にも歌いたくない理由を話していません。福は、「矢沢、言いたくないことは言わなくていいのが、友達なんだよ」と矢沢をハグします。
この二人、すぐにハグしますが、今の高校生はこういうものなんですか?私は、高校のころ友達にハグしたりされたことは一度もないです。
はたして、矢沢の「歌いたくない理由」はなんでしょうか?すごく気になるんですけど。
その時、矢沢のことが大好きな飯田が、「当たりくじ」を持ってきた!これこそ、矢沢が長い間求めていたもの。これを当てるために、どれくらいお金を使ったんでしょうか。
福の父、ファミレスで兄(幸)を呼び出す
海外から急いで帰国した福の父(野間口徹)は、兄の幸を呼び出し、福の相手を聞き出そうとする。
福の相手は宝だと、どうしても口を割らない幸。それにしてもこの二人、あっけらかんとしていて、どこか似ているのですが、どう思いますか。
原作漫画では、兄はもうちょっと真面目に福のことを考え、決しておちゃらけていないそうです。だから、漫画を先に読んでいる人は、ドラマの兄に失望しているようです。
私は、漫画を読んでいないので、新鮮な気持ちでドラマを観ています。
両親、福、宝と母、5人対面で話し合い
福が学校から帰ると、父が帰宅しており、さらに宝と宝の母も来ていました。覚悟の瞬間です。
父「福、お帰り。そして、ただいま」
父は、一般的に想定される場面としての「オレの娘を傷つけやがって!」と怒ることもありませんし、「馬鹿野郎!」と娘に悲しみをぶつけることもなく、淡々としていました。
いえ、淡々としようと心に決めているようでした。
漫画では、福のお腹の子どもを亡きものにしようとする言葉を発するようですが、ドラマではそんな場面はありません。
むしろ、「どうしたいんだ?」と福の気持ちを優先しようとします。父親は頭脳明晰で仕事もできる。こういう時も、スマートに済ませようとしているのが観ていてわかります。
子どもはオレたちが育てる
父は、福の答えを聞く前から、いろいろ調べていたようです。
福が「産みたい」と言うと、怒鳴りつけるわけでもなく、OKを出します。そのかわり…
「子供はオレたちが育てる、オレたちの子どもにする。戸籍は残ってしまうが、オレたちの子どもとして育てることができる。福のきょうだいになる」
と、勝手にベラベラしゃべり始め、そこにいる全員を唖然とさせます。
母が「私はそんなこと何も聞いてない」と言うと、「お前はもう一人ぐらい育てられるだろ、ヒマなんだから」と、妻には絶対に言ってはいけない暴言をはきます。
オレの決めたことに異存はないはずだ。なんたって、オレの言うことはいつも正しい、という感じの父親です
すごいな、この父親、なんでも一人で決めようとしている。昭和のおやじですね。物分かりのいい方かとは思いますが、子供の言い分は全く聞こうとしていません、この段階で。
育てたい福と宝、無理だという父親の大バトル
福と宝は、自分たちで子供を育てたいと言い出します。(そうだったっけ?)
どうやって?と父が尋ねると、「働きます」と宝が言い、「私も、保育園に預けて」と福。
父「子供は、必ず元気で生まれてくるとは限らない。元気な子供じゃないと、保育園には預けられないぞ。だいたい、子供を育てるのにいくらかかると思ってるんだ。そもそも、未成年じゃないと、親権は持てないぞ。親権は、子供の母親の両親が持つんだ」
ほー、そうなんですね!それは知りませんでした。知らないことって多いものなんですね。父の言うことも一理あります。
このままいくと、修羅場決定です。
離婚を切りだす福の母
「別れましょう」と、いきなり福の母が言った。別れるのは福と宝ではなく、福の両親になるのか?
もう、現場は大混乱です。福の母も、「どうせヒマなんだろ」のひと言でブチ切れたようです。見境なく発言してしまったようですが、別れることにはならないでしょう(と思います)。
父「福が決めなさい、お父さんと彼、どっちを選ぶんだ?」
(お父さんもまた、子供みたいなことを…)
福は「宝」と言います。宝と言ってしまいました!お父さんもブチ切れます。
「だったら、出ていきなさい。子供と、この男と、3人だけで生きてみろ!」
父の、娘を思う気持ち
父「君たちは今、お花畑にいる。まだ16歳だ。いくつであっても、生活を始めるってことは、お花畑を出るってことだ。」
宝「わかってます」
父「分かってない!福、出産したらな、お前はもうお花畑に戻れなくなる。でもな、戻れるんだよ、彼は。無傷でな。逃げられるんだよ、いつでも、お前からな。」
宝「逃げません!」
あとは、二人の堂々巡りの言い合い。そこに宝の母親も加わって、大バトルになり、終わりの見えない戦いになってきます。
息子をかばう母親は、いたたまれなくなって福の家を飛び出す。母の後を追うように家を出る宝。
あとに残された父の、なんと哀れなことよ。娘を思う父親の気持ちが、痛いほどわかる気がしますね。
お母さんのために走っていたんだ
母親に追いついた宝。母は、宝の気持ちを尊重したかった。
ただ、今の段階で父親になる選択をするということは、学業も捨て、夢だった箱根駅伝も捨てるということになるのです。
「自分の人生からも逃げていいの?」と涙ながらに訴える母に、宝は声を振り絞るように言いました。
「オレの夢じゃない」宝はそう言って、くるっと振り返り、母に背を向けて思いっきり走り出します。
その姿を、母は泣きながらいつまでも見つめていました。
父親の言葉に賛否両論
今回の主役は、なんと言っても父親です。
野間口さんという俳優さんの、圧倒的な存在感に胸を打たれました。
父の言うことは、確かに乱暴だし、独断的だし、横暴です。ですが、大切に大切に育ててきた娘の幸せを願うのが、父親の本当の気持ちです。
決して憎いわけではない、怒っているわけでもない。娘の幸せを願うからこそ、荒波だらけの人生は送らせたくない。そう考えての、父親のせめてもの計らいが「自分の子として育てる」という決断でした。
確かに、そのような家族も世の中には多いようです。何よりも、金銭的な安定が求められる子育てです。子供も、不自由なく学校生活を送ることができますから、お金の心配はいらないでしょう。
愛があっても、愛でオムツを買うことはできないし、愛で学費を捻出することはできません。それが分かっている父親だからこそ、厳しい言葉を投げつけたのです。
ただ、何が正しい選択かは、この時点では誰も分かりません。ひとつだけ言えることは、皆、それぞれの立場で、頭が汗をかくほど一生懸命考えている、ということです。
どんな選択をしても、最終的に、親は子供を応援することになるでしょう。
そんな最終回を望みます。