前回、生理が来てホッとして、嬉しすぎて泣いてしまった福。気持ちわかるーと思った人多いのでは?でも、どうやらホッとしたのはつかの間だったようです。
気づいていた親友
福に何かあったと「秒で気づいた」親友の矢沢 望(茅島みずき)。ゴールデンウィークが開けた登校日にすでに気づいていた(それが何かはわからなかったが)。
だが、それから1週間後。福に生理がきて次の日の登校で、望は福に本当の笑顔が戻ってきたことを知り、喜んだ。、何があったのか、聞かないし、言わなかった。それでも二人の絆は強く結ばれていた。
打ち明けた秘密
福は、望にこれまでの経緯を打ち明けた。望は驚きながらも真剣に福の話に耳を傾けた。そして、前日に福の悩みが解消したと聞き、自分のことのように喜んだ。「もっと早く言ってくれればよかったのに。」
数年後に望は「あの時の私は、福にウソついて、正直なことなんて何も言ってなかった」と、高校時代を振り返ることになる。
未来のライフプランを立てよう!
高校の授業では、「未来のライフプランを立てる」という課題が与えられた。なかなか書き込むことができない福。隣の望のプランをのぞき込むと、「未定」と書いたまま寝ていた。
授業終わりに、カラオケ行こう!ということになり、福、望、飯田の3人はカラオケに直行。
来週から中間テストなのに、勉強しないでカラオケ行くんですね。
一方、宝は陸上部の練習に励んでいた。
心配がなくなった二人。福は思い切りカラオケで羽を伸ばし、宝も陸上の練習に集中することができた。元通りの日常がやってきた。心には何のわだかまりもなかった。
宝には、箱根駅伝に出て、そのあと先生になるという夢があった。
福の家で夕ご飯
宝は、福のお母さんに招待されて、一緒に夕飯を食べることになった。福の兄、幸(こう)も一緒だ。
試験のすぐあとに県大会だ、でも大丈夫、ということを皆でしゃべっていたとき。幸が突然「大学やめるかも」と言い出し、ケロっとしている。相変わらず自由な幸だ。
家に帰る宝を見送る福。その時宝が、「俺も、将来とか未来とか、福と一緒に決めていけたら、と思ってる。」と、恥ずかしそうに、口ごもりながら言った。福は嬉しさを隠しきれなかった。
福も宝と同じ気持ちだった。学校からの課題「ライフプラン」には、「宝と一緒に生きる」と書きたい気持ちだった。それでいいと思っていた。
微熱
幸は学校の保健室で休んでいた。「微熱だね」保健の先生は幸から体温計を受け取った。
「吐き気のほかに、何か悪いところはある?」
「生理じゃないのに、ちょっと生理みたいな。」
「前回の生理はいつ?予定どおりに来た?」
「あまり決まってないっていうか。」
「そっか。一回婦人科でちゃんと診てもらったほうがいいかもね。生理じゃない出血だったら心配だし。」
幸はその言葉にハッとした。
出血の理由
福は家に帰って、ネットでいろいろ調べ始めた。
「生理じゃない出血」と検索すると、不正出血という項目の中に、出血の理由が箇条書きに並んでいた。その中のひとつを見たとき、福は息をのんだ。
「妊娠に関わる出血の場合も」
もしかして、この前の出血は「生理じゃない出血」だったの?
母がおかゆを作って部屋に持ってきてくれたが、福は出かける用事があるとあわてて家を出ていった。
発覚
福はバスに乗った。長い距離を走った。目的地は、家からなるべく遠くにあるドラッグストアだった。そこで買ったものは妊娠検査薬だった。
妊娠判定薬を買い求めた福は、その足で近くのファミレスに入った。トイレで、初めての妊娠判定役を使う福。結果が出た。
一人じゃない。私は、一人じゃないかも。
でも大丈夫。私には宝がいる。福は宝にメールを送った。「話したいことある」
「あの子の子ども」第3話:感想
一度は消えた心配事が、再度現れたときのショックといったら並大抵のことではないでしょう。
女性は、自分の身体がどうなっているのか自分でもわからないものです。出血の理由が何なのか。それが分からないときの不安は男性には想像もできないでしょう。
唯一の救いは、相手の男性「宝」が誠実な人間だということです(今のところ)。高校生でありながら、相手の女性との結婚をおぼろげながらでも考えているのですから、まじめな男性であることは間違いありません。
ですが、彼には箱根駅伝に出るという夢がある。子供の父親になるという現実は、受け入れがたいものがあるでしょう。
現実とはかくも恐ろしいものです。「あの時に戻れたら」と思うことは、人生で何回かあるものです。福も宝も、もう一度過去をやり直したいと思うはずですが、過去は過去。やり直すことはできません。
福と宝の話は、どこにでもある話ではありませんが、かといって、めったにない話でもないでしょう。このドラマを観ている高校生(あるいは大学生)の中には、今まさに自分が同じ状況だという人もいるのではないででしょうか。
ファンタジーではなく、完全なリアルのドラマ。このドラマが訴えかける問題は、古くから繰り返される永遠のテーマなのかもしれません。