とんでもないドラマが始まってしまった。今の日本社会の縮図とも言える「新宿歌舞伎町」を舞台にしたハチャメチャ医療ドラマだ。クドカンドラマっていつもなんでこんな面白いの？
でも、ある意味一番面白いのは塚地かも。その理由は、後ほど。
歌舞伎町のちょっぴり不まじめな病院
新宿歌舞伎町の片隅に、小さな診療所がある。聖まごころ病院だ。この病院が、ドラマの舞台となる。
医院のスタッフ紹介
院長はほぼ不在。ちなみに院長は高峰啓介（柄本 明）。元外科医。いつも飲んだくれている。酔っ払っているからか、老化のせいか、いつも手が震えていて処置に危険を感じること多し。だが、指示は的確だ。
常駐しているのは、院長の甥っ子の高峰亨（仲野太賀）。麻酔の研修に来ているが、専門は美容皮膚科なので、いつも急患にビビッている。愛車はポルシェでお金持ち。チャラ男。NPOの南舞に一目ぼれ。
横山勝幸（岡部たかし）は小児科医。パパ活に憧れているようだ。
田島琢己（馬場徹）は泌尿器科・性病科。ある意味、もっとも歌舞伎町に無くてはならない医者だろう。患者も多そうだ。
白木愛（高畑淳子）は経理担当。もうこの診療所で40年以上働いている。病院の経営状態が良くないので、なるべく多くの患者を受け入れようとするが、なるべく働きたくない医者たちとの間で「受ける、受けない」でいつももめている。（たいがい白木が勝つ）
堀井しのぶ（塚地武雅）は看護師長。医者たちからは「男じゃないか」とこっそり噂されているが、医者たちもはっきり聞かない。やるき満々で、いつも医者たちの背中を押す役目。なぜか英語にも堪能で、ヨウコがしゃべる英語を通訳する。
下の画像は、ホストで運ばれてくる男性の救急要請があり、医者たちが「拒否で」と拒否っているとき、しのぶ（塚地）がやってきて、「がんばろう！救急で稼がないと、厳しいんだから」と叱咤激励する場面。
塚地さん特集はこの記事の一番下にあります。
村木千佳（石川萌香）は看護師。
高峰はずき（平岩紙）は院長の娘で、ソーシャルワーカー。いつも院長の車椅子を押して登場する。
周辺の人たち紹介
南舞（みなみまい）（橋本愛）は、NPO「Not Alone」の新宿エリア代表。新宿歌舞伎町のことを世界に向けて動画配信している。英語も上手。「歌舞伎町のイメージアップと外国人労働者の支援、また、女性の活躍の場を提供する活動をしています」と言うが。
ヨウコ・ニシ・フリーマン（小池栄子）は、偶然舞い込んだ米国籍の元軍医。英語と日本語（なぜか岡山弁）を操る。戦場で亡くなる寸前の患者から託されたクッキー缶を持って来日。のちに、聖まごころ病院で働くこととなる。
岡本勇太（浜田岳）は新宿歌舞伎町のおまわりさん。いじられキャラで、本人は本気で怒っているのだが相手にされなかったりする。いつも診療所でサボっている。
高峰啓三（生瀬勝久）は、院長の弟で、不動産コンサルタントをやっている。羽振りは良いとは言えない。聖まごころ病院を売るか、ホストクラブにするか、駐車場にするか、いろいろ画策しているが兄の院長がウンと言わない。
リツコ・ニシ・フリーマン（余貴美子）は、ヨウコの母で、ジャズシンガー。下の画像は回想シーン。昔、院長と何か関係があったようだ。院長行きつけのジャズバーには、リツコの写真が飾ってある。
さて、この面白でこぼこメンバーで、毎回どんなストーリーが展開するのやら、乞うご期待です。
NPO代表、南愛の秘密
夜の街を岡本が歩いていると、ラブホテルから男と出てきた女を見た。似ている、すごく似ている。もしかして、あれは変装しているが、NPOの代表、南では？
そこへ、南にぞっこんの美容皮膚科医師、高峰亨が通りかかった。あわてて彼を別の方向へと導く岡本。はたして、彼女の正体は？（本日一番のショットです。）
塚地は看護師で、女？
塚地はただの看護師ではなく、相当優秀な看護師だ。急患が運ばれてきてあたふたしている医者の中で、あわてず、慎重に処置を進める。
今回も、急性アルコール中毒で運ばれてきた女性（実はこれがヨウコ・小池栄子）なのだが、国籍不明の彼女に「Do you have any money？」と流ちょうな英語で尋ねる。しのぶは英語が流ちょうなのだ。
エイコに、テキーラを30ショット飲んで急性アルコール中毒で倒れ、運ばれたことを通訳して説明するしのぶ。
医者と警察官が婦長（しのぶ）のことを話だす。
「あの人、男だよね、婦長さん」
「え？堀井さん？女性だよ」
「女性って、女性だよ、失礼だよ、本人に聞くわけにいかないんだから」
「まずいよ、今そういうの、一番まずいんだから」
「ジェンダーハラスメント」
「いやいや、亨君はどう思う？」
「それ、今じゃなきゃダメかなあ」
「堀井さん、下の名前なんだっけ？」
みんなで一生に黒板を見つめる。
「堀井しのぶ…」
「どっちもあり得る」
この会話に、クドカンドラマの面白さが見えた気がした。男女どっちとか、どーでもよくない？と言いたいんだよね。だって、それがその人だし。スポーツ選手でも、「男なんじゃないか」と問題になる女性選手っていたりする。まあ、スポーツの場合は勝負に関係するからどっちでもいいってわけにはいかないかもしれない。
だが、普通に暮らしていても、「あの人、男？女？」って思うこと、多くないですか？今は人それぞれ。ちょっと前まではタブーとされていたことも、今は普通にカミングアウトする時代。そして、それを受け入れるようになってきた。時代の変化って、いいものだ。
けれど、本人にとっては、あるいは家族にとっては大問題だったりするし、いまだに「男は男らしく、女は女らしく」とか言ってる昭和の人たちも大勢いる（昭和じゃなくてもいるかな）。
そんな大問題を、クドカンはさらりと会話の中で提示している。会話を聞きながらも、視聴者は「そうだよね、どうでもいいよね」と思ったのではないだろうか。
クドカンのドラマは、ストーリーの仕立て方も独特だが、ひとつひとつの何気ない会話も作りこまれているのだ。
ネットの評判・口コミ
新宿野戦病院第一話が終わったばかりですが、早くもネットでは賛否両論の声が。特にクドカンのドラマって、好き嫌いが激しいんですか？私はよくわからないんですが…ではいってみましょう！
・塚地気になりすぎる！！
・塚地の看護師長役が楽しみすぎるwww
・え！おもしろそー！！！
・優三さんと、直言さんがいる。（注：これは、朝ドラ「寅に翼」に出ている岡部たかしと仲野太賀のこと。ちなみに、塚地も出演しています。）
・マンガ原作とかじゃなくてクドカンの完全オリジナル脚本？（注：はい、オリジナル原作です。最近は漫画やアニメからドラマ化したのが多いですからね。）
・塚地だけが気になる
・塚地〜！！！！
筆者の意見やっぱり、塚地がどうしても気になる人続出です！私もです。このドラマで一番気になるかも。ていうか、好き！
・ギャラ飲みとパパ活wャラ飲みとパパ活w（注：こういうキーワードはさすが歌舞伎町がテーマだからですね。ちなみに、ギャラ飲みとパパ活は微妙に違うようですよ。）
・ずっとテレビと共に生きてきたのにテレビが最近面白くないってガッカリしてる親(60代)が楽しみにしてるドラマ！どうか面白くあってくれ！頼むよクドカンさん（注：ほんまそれ）
・どうしてもゆうぞうさんと、ともこの父ちゃんと思ってしまうよ（注：「寅に翼」で、仲野太賀は寅の夫役だし、岡部たかしはお父さん役だからね。ドラマからドラマへの役者移動って、視聴者はなかなか頭を切り替えられないんだよね。）
・梅子さんまで！（注：そうなんです、そういえばこの方も寅に翼に「梅子」役で出ています。）
