月9「海のはじまり」、あなたは観ている?私は「なんだかすっごく面白そうなドラマが始まるな!」と思って期待大で見始めたのだが、観るたびに「モヤモヤ」感が消えない。言葉にするのは難しいが、言葉にし始めると一気にネガティブなワードで埋め尽くされる気がして、「次の回に期待しよう」と思ってしまう。
だが、あと3回でドラマが終わる。前回は、ついに夏と弥生に別れの時がきた。だが本当に二人は別れて終わりなのか?あと3回もあるのに?弥生が登場しない3回になるとはとても思えず、今回は二人の今後について、余計なお世話だが考えてみる。
あなたも一緒に考えてね!
夏にとってはメリットしかないけれども
夏は、海のお父さんになるって決めたけれども、やっぱり「どうすればいいのか」分からない部分が多い。というか、ほとんど何も分からないと思う。
海がファミレスで「おトイレ行きたい!」と言っても、その場に弥生はいなかった。夏と大和しかいなかったのだが、男二人はちょっと戸惑ったあげく、「うん、行っておいで」と海に告げた。母親ならば、一緒に行く確率は高いし、何かしら気づいてあげることはできる。
夏は、海のブラウスも一人で選べないし、学校のこと、自分の仕事のことだけでも、どれほど考えても考えは堂々巡りだろう。
しかし、夏が海と二人で生活するということは、小学校1年生の女の子とずっと生活するということ。夏には男のきょうだいが一人いるだけだし、女のことはまるで分からないと言ったほうがいいだろう。そもそも、女の気持ちもよく分からないのが夏という人間だ。
だから、自分と海、二人だけで生活を始めるのは無理そうだけど、なんでもできる年上の弥生がいてくれたら、鬼に金棒だと思ったのだろう。これは間違いないし、自然な考えだ。
弥生にとってはデメリットのほうが大きい
だが、弥生にとっては、これまで二人きりの恋人生活を送っていて、さあいよいよ結婚かな、という時に、降ってわいたような夏の娘が登場する。困惑するのは当たり前だ。
「最初は楽しかった」と弥生も言っていたが、確かに、最初はがんばって「お母さん」をやっている自分も嬉しかったし、自分の欲しかった「家族」もいきなりではあるが、手にいれることができた。
だが、その家族は弥生にとって「形だけの家族」だった。海は自分の産んだ娘ではないのだ。そんなわけで、だんだん3人でいるのが苦痛になる。海も夏も、「水希」のことは忘れられないし、それどころか頻繁に水希の名前が登場する。弥生は自分がいつまでも「部外者」であることを痛感しただろう。
弥生が自分の人生の幸せを考えたとき、夏とは別れることを選択するのは当然の成り行きだ。自分の人生を犠牲にする必要はない。実の子どもでも子育ては大変。ましてや、人の子どもを育てるとはどれほど大変だろう。
3人で家族になることは、夏にとってメリットしかないけれども、弥生にとってデメリットが大きかったのは間違いない。
「考察系」で見つけた「夏と弥生の復縁」説
ネットでも、「夏と弥生は復縁するのか?それとも別れたままか?」という話題で持ち切りである。
私も、見るとは無しになんとなく「考察系」のYouTubeを見ていたら、男性のYou Tuberでこんなことを考察している人がいた。
「夏くんと弥生さんには復縁してほしい。弥生さんには幸せになってほしいから。弥生さんと夏くんが結婚して、最初は子育てでいろいろ大変かもしれない。でも、10年もすれば海ちゃんは17歳。そのころには親離れもしているだろうから、弥生さんも夏くんと二人で楽しむことができる。10年なんてあっという間だから、我慢できると思う」
そんな考察をしている人がいたが…私は「それはないんじゃないかな」と思っている。
もちろん、考察はあくまでも考察であって、最終回まで観ないとどうなるか誰にも分からない。だから考察は自由なのだが、10年も弥生が我慢できるとはとても思えない。
男性の視点と女性の視点は違う。女性は、弥生と自分を重ね合わせて観る。自分が弥生だったらどうか、とかね。
女性には「出産年齢」のタイムリミットがあるから
弥生の年齢を考えると、もう30歳を過ぎている。弥生は子供を持ちたいと思っているはず。夏と結婚したら、夏と自分の間に子供を設けることを当然考えるだろう。夏と結婚しても、子供は海ちゃんだけで満足、なんて考えるはずもない。
女は30歳を過ぎたら、結婚と出産は現実問題として嫌でも考えざるを得ない。出産にはタイムリミットがあるから、結婚する年齢も逆算して考えなければ間に合わない。男性には、その視点がどうしても抜け落ちてしまう。自分が産まないから分からないのだろうが、いや、気づいてほしいなと思う。
10年たったら海ちゃんは17歳だが、その時弥生は40歳を超えている。そんなかわいそうな弥生の人生って、あるだろうか?
ないよね。私だったら、そんな人生いやだな。自分が子供を産みたいと思っているなら、絶対に無理だ。
夏と結婚して子供を産んだらどうなるか
夏と復縁するなら、無事に出産するまでの時間はあまり残されていない。万が一、弥生が思いなおして夏の元へ戻り、夏と結婚するとしたら(その可能性はまだ残されている)、やっぱり夏と弥生の間に子供は生まれるだろうし、弥生は産みたいと思うだろう。
新しい命が誕生したら、海は複雑な心境になるだろう。今度は、海がどうしても疎外感を持つことになるからだ。
このドラマが「血のつながりがなくても、みんな幸せに暮らすことができる、いろいろな家族がある」ことをテーマにしているなら、そういう終わり方もあるかもしれないが、女性の視聴者は「本当に大丈夫だろうか」とドラマと現実をすり合わせて、最後まで心配は尽きないだろう。
もっとも、このドラマの始まり方が「あり得ない」設定だったので、ドラマの終わり方も「あり得ない」設定になるかもしれない。「ドラマってそういうものだから」と言われればそれまでだ。
私はこのドラマを、あと3回も観ることができるだろうか、自分でも不安になるが、ここまで来たら最終回を観ずにはいられない。多くの視聴者も、同じ気持ちかな?途中で離脱した人もたくさんいるような気がするが。
このドラマにひとつだけ言わせてもらいたいのは「毎回、救いがないなあ」というところ。どんなドラマでも、少しは笑ったり、ホッとしたり、コメディっぽい部分があるものだが、このドラマでは唯一「大和」の出る部分が救いかなと思う。だが、登場時間が少ないので、残念な限りだ。
あとは、「海ちゃんがかわいい」というのはあるが、その裏に途方もない悲しさを秘めているので、心から喜ぶこともできない。
多くの視聴者が、番組終了後に「辛い」「切ない」とネガティブな感想を述べるのはそのためだろう。
お願いだから、私たち視聴者も少しは幸せな気持ちにしてほしいと思う、今日このごろである。