自民党は21日、9月27日に投開票が予定されている総裁選に向け、「THE MATCH」というタイトルのポスターを公開しました。しかし、このポスターについて、同日放送のTBS報道番組「NEWS23」に出演したモデルのトラウデン直美さん(25)が、「おじさんの詰め合わせ」と一言で批判し、話題を呼んでいます。
どういうことでしょうか?
歴代の自民党総裁がモノクロでポスターに
ポスターには、歴代の自民党総裁が演説する場面がモノクロ写真で並べられ、「時代は誰を求めるか?」というキャッチコピーが添えられています。特に安倍晋三元首相の写真が中央に大きく配置されています。
このポスターは、党が裏金問題などで批判を受けている中で公開されましたが、デザインがダークな極道映画を連想させるとの声もあり、ネット上で賛否が分かれています。
確かに不穏な雰囲気を醸し出しているポスターですね。なんの希望も感じません。悪役同盟みたいですね。
トラウデン直美さんの「おじさんの詰め合わせ」発言
慶応大卒で環境問題などにも積極的に発信しているトラウデン直美さんは、番組にコメンテーターとして出演しました。
ポスターについてキャスターから「女性の姿が見当たりませんが、どう思いますか?」と質問されると、トラウデンさんは「う~ん、おじさんの詰め合わせって感じがしますね」と苦笑いしながら答えました。
さらに、「自民党は長い間、日本の政治の中心にいたので、良い時代も悪い時代もいろいろあったとは思いますが、ここに写っている方々は党内の権力闘争を勝ち抜いてきた人たちですよね。ですが、党内の権力ではなく、いかに国民と向き合い、オープンな姿勢を見せてくれるのかが大切だと思います。このポスターは、やや内向きな印象を受けました」と辛口の評価を述べました。
トラウデン 直美(トラウデン なおみ):1999年〈平成11年〉4月21日生まれ。ドイツと日本のハーフ。モデル、タレント、キャスター、コメンテーター。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。
トラウデン発言に対してSNSでは賛否両論
今回の、このトラウデンさんの「おじさんの詰め合わせって感じがしますね」発言に、ネットでは様々な意見がとびかっています。
「別にいいじゃないの!面白いし。だから男がこういうのを 『おばさんの詰め合わせ』と言っても怒らないでほしい」
「自民党総裁選ポスターを見ての発言だけど、差別用語になるの?今の世の中なにかにつけて過敏な人達の方が怖いよ!」
「おじさんの詰め合わせ。シンプルな事実だと思いますね。ある種の偏見も含まれてるかもしれないですが、そうだとしてもそう見られてしまってる政治の側に責任があると思います。」
「『男性差別』っていう言葉の暴力性に気づいてほしい。ジャイアンに立ち向かったのび太をスネ夫が叩くようなもの」
「自民党総裁選ポスターが男性ばかりなのは事実だから、トラウデン直美さんの『おじさんの詰め合わせ』発言は悪くない…と擁護する意見もあるのかもしれませんが、仮に東京都知事選挙で小池さんと蓮舫さんの戦いを『おばさんの戦い』と表現したら再起不能なまでに叩かれるはずなので、やはり理不尽です。」
「いいじゃない」という意見と「男性差別だ」という意見、どちらも半々ぐらいですね。
「詰め合わせ」という言葉がいけなかったのでは?
「おじさんの詰め合わせ」という言葉に反応した人の気持ちを考えると、男性にとって「不愉快」になる言葉のようですね。
やはり、「詰め合わせ」という言葉のチョイスがまずかったのではないかと思います。
もし、「おじさんだらけですね」とか「おじさんばっかりですね」とか「どこ見てもおじさんじゃないですか」などと発言していたら、SNSでこれほど取り上げられることもなかったでしょう。
「詰め合わせ」という言葉には「お得なセット」「あり合わせ」「ごちゃ混ぜ」というニュアンスが込められていますから、相手に対するリスペクトは感じられません。
やはり、人はひとり一人「個人」としての人格を持っていますから、それらがまとめられてしまうと、バカにされたような気持になります。
「詰め合わせ」がね、やっぱりいけなかったのではないかと想像しています。
言葉って難しいものです。女子会トークならオーケーなことも、メディアで発言してしまうと、とたんに炎上したりしますので、コメンテーターも発言する前に言葉を吟味する必要があります。
面倒な世の中になったものですが、今はすぐにSNSで拡散しますから、時代を生き抜くためには必須なノウハウだと思います。