理子(野波麻帆)の美容室にいきなり訪れたみのり(松本まりか)。何も知らない理子に、自分のこと、旦那(勇大)のこと、そして理子や息子の渉(野村康太)のことなど、ジリジリと匂わせていくみのりが不気味で怖かった前回のストーリーでした。
何よりも、理子にバッサリと髪の毛を切ってもらって、意外にもすごくかわいいみのりが生まれて、ちょっと不思議な感じ。
さて、今回はどういう展開になりますか。
胸騒ぎがした理子
理子はタクシーを走らせていた。妙な胸騒ぎを感じていた。思い当たることはあった。
お風呂あがったよと、いつものように渉の部屋のドアを開けたとき、「ノックぐらいしてよ!」と渉は怒ったように言った。あんなことは初めてだ。
隠し事などする子ではなかった。何かやましいことでもあるのかしら?
渉の部屋には、オーデコロンがあった。見たこともないものだ。
そして、スマホに残されたメッセージ。「KM」とは?まさか、如月(きさらぎ)みのり?
理子はタクシーを駆け下りて、レストランの扉を勢いよくあけた。だが、二人の姿はどこにもなかった。
次のごほうびは「水族館」
渉はみのりと歩いていた。
「次のごほうびは、神奈川水族館でお願いします。けいほう大模擬試験で、A判定を取る!で、どうですか?」
「応援してる」と返すみのり。
「次会うときは、塾の話一切無しでお願いします」
わかった、と、二人は指切りをした。
息子と留守番をする勇大
勇大は、家で息子と留守番をしていた。ママと公園に行きたいという息子を、勇大は必死になだめていた。
息子:ママはいつも泣いてるもん。
勇大:泣いてるって?
息子:全部パパのせいだよ。
勇大は、初めて聞くみのりの様子にたじろいでいた。
波辺を歩くみのりと渉
渉は、先日みのりに会ったときの会話を考えていた。
みのりから、お父さんのような人とお母さんは、結婚しないのかと聞かれ、「もうすぐ子供が生まれるんです」と言ったときのみのりの様子が、明らかにおかしかったからだ。
そのことをみのりに伝えると、「家庭環境が変わると、受験の指導がちゃんとできないからって考えていただけ」と答えた。
「不倫、なんです」と、いきなり渉が話し始めた。「その父親代わりの人には、別の家庭があるらしくて。」
「母さんは、オレを育てるために働きづめで。だから、その人に家庭があっても、オレと母さんを幸せにしてくれるなら、それでもいいかなって」
「不倫なのに?」
「そんなに不倫って、ダメなことですか?」
驚くみのりに、渉はさらに続ける。
「不倫をしてるってことは、そっちの家庭にも問題があるってことじゃないですか?形はどうでも、誰かを幸せにしてるわけだし。仕方ないことなのかなって」
「私は、不倫を肯定する人は、嫌い。あなたはいいかもしれないけど、相手の家庭を地獄に突き落としてるのよ、それが不倫。わかる?」
高校生にそんなこと言っても、酷だなあ
自分がムキになっていることに気づいたみのりは、帰ろうとする。
「待ってください、何かあったんですか?」
みのりの境遇
「私も、あなたと同じ境遇なの」
みのりは驚くべき事実を話し始めた。
「私も、母ひとり子ひとり、父親の顔を知らずに育ったの。」みのりは小さい頃を思い出していた。
貧しい家庭だったが、楽しかった。ただ、父だけがいなかった。なぜいないのかは、教えてもらえなかった。
そんな母が、突然事故で亡くなった。母は、愛してはいけない人を愛してしまった。自分はその男性との間にできた子供だったのだ。
みのりは、「不定の子ども」だという負い目をずっと感じながら生きてきた。
だから、不倫が仕方ないなんて、一度も思ったことがなかった。
そんなみのりにとって、結婚はたったひとつの憧れだった。みのりの目から大粒の涙が流れてきた。そのそき、スマホが鳴った。勇大からだった。
「もしもし、勇大?公園?ありがとう」
渉はハッとした。「勇大って…」
「私の夫。あなたの父親代わりの人だよ」
ついに言ってしまった…
渉は、これまでのことがすべてみのりのシナリオどおりだったことを知った。みのりは、自分の家庭に復讐するために、自分に近づいたのだ。
「もう二度と会うことはないから」そう言って、みのりは立ち去った。
「本当のことをぶちまけるなんて、本当にバカだと思うけど、なんで自分がこんなに怒っているのかわかった。あの家族には、罪悪感というものが欠落している」
公園に現れた理子
勇大は、息子を連れて公園で遊んでいた。すると、目の前に理子が立っていた。「なんでここに?」
理子は息子に近づき、「ママは?」とたずねた。
「ママはお友達と遊びに行ってるんだって」
「お友達って?」
勇大が選んだのは私だ。子供ができたと言ったとき、産んでくれ、必ず一緒になろう、そう言ってくれたのも勇大だ。それなのに、なぜこんなに穏やかではないのだろう。
渉からは連絡がないままだ。
家で待っていると、ようやく渉が帰ってきた。何も言わず、部屋に引きこもる渉。みのりには取りつくしまもなかった。
渉からみのりに連絡しようとしたが、とっくに「友達」を切られていた。
模試の結果
模試の結果が出た。渉の名前があった。6位だった。
そこへ、花音(田中美久)がやってきて、みのりが塾を辞めたことを伝えた。
「こんな早く辞めるなんて。責任感なさすぎ。あの人、指輪してなかったのに、結婚してたんだよ」
みのり、勇大、理子、それぞれの思い
勇大はみのりにメッセージを送っていた。「今夜大事な話がある」
いきなり平謝りをするつもりだろうか。
同じとき、勇大は理子の家にいた。理子は「この間はごめんね、なんか、感情が高ぶっちゃって」
「大事な時なんだから、あんまり無理すんなよ」
その言葉を聞いて理子は嬉しかったが、同時に不安でもあった。本当に大丈夫だろうか。
「投資」をしている勇大
勇大は帰社した。スマホで投資の画面を見ていた。いい感じに右肩上がりだ。勇大は気を良くしていた。
部下の楠木(太田将熙)が経費が落ちないとブツブツ言っているのを聞き、「これで給料日まで食いつなげ」とお金を渡した。
勇大は、大事な話をするために家へ帰った。
姑を夕飯に誘うみのり
みのりは、夕飯を作っていた。そこへ、姑の裕美(麻生祐未)が訪ねてきた。いつものように、差し入れを持ってきてくれたのだ。みのりは、裕美を夕飯一緒にいかがですかと誘う。
本当は、裕美はみのりが心配で来たのだった。塾の仕事が楽しいと言っていたのに、こんなに早く辞めてしまって、勇大との間に何かがあったのかと思ったのだった。
裕美に優しく言葉をかけられて、みのりの目に涙がいっぱいたまった。
「やっぱり、何かあったのね。みのりさん、何があっても、私はあなたの味方よ」
こんなにいいお姑さん、珍しいよね
みのりの空想
ここからはみのりの空想です。
「実は、勇大には、もうひとつ別の家庭があるみたいなんです」みのりはついに話しはじめた。
裕美は驚きのあまり、一瞬頭が真っ白になった。
「それって、不倫してるってこと?」
間の悪いところへ、勇大がのんきに「ただいま」と帰宅した。
「あれ?お母さん、来てたの?」
裕美は勇大のほうを振り返って、思いっきりビンタを食らわせた。「不倫なんて、見損なったわ!」
「みのりさんに謝んなさい!」勇大はみじめに泣きながら「ごめんなさい」と頭を下げた。
みのりの空想、ここで終わり
こうなればよかったのに
真実を言わないみのり
みのりは我に返った。「やっぱり、働くのは翼が小学校にあがってからでもいいと思って。」
「わかるわ、その気持ち。子供が育つのって、あっという間だもんね。」
「それと、おじいさま、その後いかが?ガンて聞いたけれど」
「お医者様からは、初期で発見できてラッキーだったって。おかげさまで、症状も安定しています」
こんな優しいお母さんを悲しませる未来しかないかと思うと、みのりは胸が痛んだ。
勇大との話し合い
裕美が去ったあと、勇大が帰ってきた。「ごめん!」と、勇大が頭を下げた。やはり、不倫のことを平謝りするのだろう。と思ったのだが…
「いつもママが泣いてるって、翼から聞いたよ。仕事や子育てで忙しいときに、オレが無理させてた。気づかなくて、ごめん」
勇大の「大事な話」というのは、たったそれだけだった。
まだ渉に利用価値があるんじゃないかな?
みのりは、弁護士の堀紗良(太田莉菜)に電話でそのことを相談していた。
「まだ渉くんは、あなたがすべて知っていることを、勇大くんに話してないんでしょ?もしかして、あなたの味方なのかもしれないよ」
「私の味方?」
「渉くん、まだ利用価値があるかもしれないよ」
予期せぬ出来事
みのりは、翼と手をつないで買い物から帰るところだった。家に着いたとき、なんと目の前に渉が立っているではないか。
渉は塾をサボって、みのりの家にやってきた。「みのりさん」そう言ったとき、そこへ帰ってきたのは、勇大だった。
「渉?」
呆然と立ち尽くす、みのりと渉、そして勇大。何も知らないのは翼だけ。
さて、この最悪な図式、乗り越える方法はあるのだろうか?