元大関でタレントの小錦八十吉さんが、妻から臓器の提供を受けたことを明かしました。
小錦さんを救った、日本の最先端医療とはどのようなものでしょう。この記事では、小錦さんの腎臓移植手術と、手術を行った病院について解説します。
小錦さんがなかなか決断できなかった妻からの腎臓移植
8年ほど前から腎不全を患っていた小錦さん。2024年12月4日、腎臓の移植手術を受けました。
決断するまでには、葛藤があったと言います。
「(僕が決断するのに)一番むずかしかったのは、やっぱり、嫁の腎臓をもらうのに自分がなかなか受け入れられなくて」
やはり、奥さんの腎臓をもらうことには抵抗があったのすね。奥さんの今後に何かあったらどうしようと、優しい小錦さんは思い悩んだことでしょう。
妻・千絵さんが必死に説得
妻・千絵さん「出会ったときは、もうすでに280キロぐらいあったので、それからずっと具合悪いんですよ」
小錦さんは千絵さんと結婚してからも、ダイエットをがんばっていましたが、なかなか成功せず、ずっと苦しんでいました。
「その間に、腎臓もどんどん悪くなってきて、もう限界」
小錦さんは、まさに土俵際に追い込まれた状況。千絵さんから何度も説得されたと言います。
千絵さんから必死に説得され、小錦さんは手術を受けることを決断しました。
小錦さん「おかげさまで、なんとか手術を終えることができました」
「嫁の腎臓をもらって、これで99.9歳まで生きることができます!」
現役時代の体重が半分に!
今の体重は?と聞かれて、「手術の前は165キロ、今は154キロまで落としています」と語る小錦さん。
現役時代の小錦さんは、体重が300キロぐらいありました。その時と比べると、なんと半分も体重を減らしているのですね。
千絵さんのダイエットのサポートが素晴らしいとしか言いようがありません。
小錦さんの手術は「湘南鎌倉総合病院」で行われた
小錦さんの「腎臓移植手術」が行われたのは、神奈川県鎌倉市にある「湘南鎌倉総合病院」です。
こちらの病院は、湘南地区では一番の最新施設を用いて、「日帰り手術」はもとより、患者さんが一日でも早く日常生活に戻れるように、治療や手術を行うことで有名な病院です。
私の家族もこちらの病院にお世話になることが多く、先生方には厚い信頼を置いています。
病院の中もホテル並みに美しく、病院にありがちな「ジメジメ」した感じは全くありません。
患者さんがどこに行ってもくつろげるような、素晴らしい環境を用意しています。
創業者の「徳田虎雄」さんも、晩年はこちらの病院の最上階に入院していらっしゃいました。
血縁関係がなくても移植はできるの?
今回、小錦さんが妻から移植したのは腎臓。ところで、血縁関係がないドナーでも、移植した腎臓は機能するのでしょうか?
手術を行った「湘南鎌倉総合病院の腎移植・ロボット手術センター」の田邉一成センター長によると、
「ずっと昔はできなかったんですが、今は遺伝的特徴が全く適合していないような方からの移植でも、普通にできるようになりました」
とのことです。
ドナーになる条件はあるのですか?
腎臓を提供するということは、腎臓が1個になるということです。残りの1個の腎臓で、人生が普通に過ごせるという見通しが立つことが大前提になります。(田邉医師)
提供される腎臓は、大きければ大きいほどいいのですが、小錦さんと千絵さんのように体格差があっても、腎臓の機能は保たれるということです。
腎臓の移植ってどうやってするの?
腎臓移植ってかなりの大手術だと思うのですが、どのように手術するのでしょうか?
- 腎臓の提供者は…
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腹腔鏡(ふくくうきょう)を使って腎臓を摘出します。背中の方から手術します。
腹腔鏡手術は、体を大きく切開しないので、患者への負担が少ないというメリットがあります。だいたい、3~4日で家に帰ることができます。
- 臓器の提供を受ける側は…
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お腹を開くことになりますが、3~4時間程度の手術で済むそうです。その後、2~3日で歩くこともできるようになります。
退院後、お互いに贈りたいプレゼントは?
無事に手術を終え、退院した小錦さん。千絵さんとお二人で会見に望まれました。
折しもちょうどクリスマス。小錦さん、サンタさんの格好をして会見に現れたのは、さすがサービス精神旺盛ですね。
記者から「お互いに贈りたいプレゼントはなんですか?」と尋ねられると…
小錦「今回は、おとなしくしていないとダメだから、そういうシークレットな買い物はできない。だから、とりあえずLOVEをたっぷりあげようかな、と思います。ま、いつもあげてるけど」
そう言って、会場の笑いを誘いました。小錦節、変わらずですね!
一方、千絵さんの答えは…
「もう、私は腎臓をあげちゃったんで、もう何もあげられません」
千絵さんもユーモアたっぷりの答えで、小錦さんと同じく会場に笑い声が響きました。
大変な決断だった「腎臓移植」という手術。ドナーの千絵さんも、受ける側の小錦さんも、相当な覚悟で臨んだことと思います。
無事に手術が成功して、退院できて、これからも楽しく人生を歩んでいってほしいですね!
2024年12月29日テレビ朝日「グッドモーニング」より、まとめさせていただきました。