Netflixドラマ「極悪女王」のメインは女子プロレスラーたちだ。だが、彼女たちを支え、叱咤しする男たちの果たす役割は大きい。松永兄弟らの存在無しに、女子プロレスは成り立たないからだ。
ダンプ松本と多くの時間を共にし、売れない頃からダンプを見続けてきた男、プロモーターの阿部四郎もその一人だ。
この記事では、阿部四郎という男、そして阿部四郎を演じていた音尾琢真について解説する。
阿部四郎の仕事は何か
「極悪女王」に登場する阿部四郎の肩書は「プロモーター」である。時に、レフェリーも務める。
阿部から名刺をもらった松本は、「プロモーターてどんなお仕事なんですか?」と尋ねる。
「なんだろうなあ、人の金でお祭りやる、みたいな?」といって阿部が笑う。
あながち、安部の言うことは間違いではないだろう。
阿部の仕事は「興行師」だ。大相撲にも昔からあるように、地方の興行を成功させるための「なんでも屋」だ。チケットを売る手はずを整え、地方の大物にも話を通してもらい、無事に興行を成功させるための「営業マン」だ。
「極悪女王」では、地方の社長の依頼で松本に覆面レスラーの真似をさせて記念撮影する、というバイトをさせる。いやいやながらその仕事をした松本だが、その社長がスポンサーになってくれて、しかも松本のプロデビューを裏でまとめてくれた。
それらのすべてに裏で関わっているのが、阿部四郎だ。
今回、松本が阿部と関わるようになった理由は、安部が免停をくらったので、免許を持っている松本に白羽の矢が当たったというわけだ。
不満ながらも会社に従う松本だが、松本は阿部から「スター選手になるための極意」をいろいろ教わった。裏方として女子プロレスを支えている阿部の言葉には、説得力がある。
松本香がダンプ松本になる成長ぶりを目の当たりにした阿部は、松本の引退試合を感慨深げに見守っていた。
「あの、芽が出ないで営業やってたやつが、こんな大箱の客を沸かせてるんだから」
阿部の隣で優しい目で見守っているのが、社長の松永高司である。松本に「プロレスを客観的に見ろ」と教えた人間だ。
阿部四郎を演じたのは「音尾琢真」さん
実力派で知られる音尾琢真は、幅広い役柄を演じられることに定評があり、多くの映画作品へ出演。
最近出演した映画では、「日本で一番悪い奴ら」(’16)、「関ヶ原」(’17)、「孤狼の血」(’18)、「検察側の罪人」(’18)、「七つの会議」(’19)、「カツベン」(’19)、「るろうに剣心 最終章 The Final」(’21)、「孤狼の血 LEVEL2」(’21)、「決戦は日曜日」、(’22)、「今はちょっと、ついてないだけ」(’22)、「死刑に至る病」(’22)、「THE LEGEND & BUTTERFLY」(’23)、「マイホームヒーロー」(’23)、「碁盤斬り」(’24)などがある。
ドラマでは「陸王」(’17/TBS)、Amazon Prime Video「仮面ライダーBLACK SUN」(’22)、「VIVANT」(’23/TBS)、 NHK大河ドラマ「どうする家康」(’23)などに出演。
それではここで旭川を代表する俳優、音尾琢真さんをご紹介しましょう
— 寿限無@お馬さん中心 (@jyugem_uma) July 5, 2024
って、音尾琢真はいいヤツですよ、勿論
芝居が上手すぎるからほんまもんに見えちゃうだけで https://t.co/e8Eei3r3dB pic.twitter.com/NuegIKDQ7a
音尾琢磨はTEAM NACSのメンバー
知っている人は知っているが、音尾琢真はTEAM NACSのメンバーでもある。
TEAM NACS(チームナックス)は、北海学園大学演劇研究会出身の、森崎博之・安田顕・戸次重幸・大泉洋・音尾琢真により結成された演劇ユニット。
音尾は2024年5月より、自身が手がけてきた楽曲をバンドスタイルで披露するライブハウスツアーTEAM NACS Solo Project 5D2「The silence of Takuma Otoo 【This is Who I am】」を全国6ヶ所7会場で開催した。
さらに、音尾の美的センスには定評がある。音尾のインスタグラムは、ただの「今日はここへ行きました」などの情報はほとんどない。圧倒的に美しく、心に残る写真の数々がそこにある。もちろんカメラマンは音尾だ。ぜひ、ご覧いただきたい。
音尾さん、相当なカメラマニアですね。ライカM10-R ブラッククローム使ってます。ライカ使う人って、カメラのこと話し出すと止まらない人です。
私はドラマや映画を観るとき、主役よりも脇役に目が行ってしまうので、今回「極悪女王」を見ても、松永兄弟や阿部四郎をずっと見ていた。脇役により、ドラマや映画の出来が決まると言っても過言ではない。
善玉も悪玉もできる音尾琢真。いてくれるだけで画面がひきしまる音尾琢真は、これからも私たちを楽しませてくれることと思う。