【極悪女王】松永兄弟:国松(黒田大輔)高司(村上淳)俊国(斎藤工)どこよりも詳しく

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Netflixドラマ「極悪女王」は単なる女子プロレスのドラマではない。彼女たちが属する「全女(全日本女子プロレス)」を経営する松永兄弟無くしては、このドラマは成立しなかった。

女子だけの世界で、男たちの世界感や理屈を有無を言わさず通していく、全女を設立した松永兄弟と、松永兄弟を演じた黒田大輔、村上淳、斎藤工について解説する。

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目次

松永兄弟とは何か?

下の画像は、オーディションをする風景。このオーディションで、後の長与千種、ライオネス飛鳥、ダンプ松本が初めて出会う。

「極悪女王」には、何人かの男たちが登場する。基本的に女子プロレスの話なので、メインは女性。だが、彼女たちを率いるのが「男たち(しかもバリバリ昭和)」、松永兄弟である。

つまるところ、「全女(全日本女子プロレス)」は同族経営だ。

「同族経営」とは、特定の親族が中心となり会社を経営することをいう。「ファミリー企業」「家族経営」などと言われることもある。なんでもできてしまうのが同族経営の良い点でもあり、悪い点でもある。外部からの経営陣がいないので、経営が密室で行われがちなのは「良くない点」であろう。

「高司(たかし)」は社長で三男。演じるのは村上淳(むらかみ じゅん)。

「国松」は四男で、演じるのは黒田大輔(くろだ だいすけ)。

「俊国(としくに)」は五男で、演じるのは斎藤工(さいとう たくみ)。

どのキャラクターも演技派ぞろいで、観る者の心を熱くする。

ドラマを観ていると、どんどんストーリーが進むので、松永兄弟の人となりも今ひとつ分かりにくいので、この記事で解説する。

3男:社長の松永高司(たかし)= 村上淳(じゅん)

三男の高司は、社長ではあるが、国松や俊国とは若干線をひき、少し遠くから会社を見つめる存在だった。

興行の際には焼きそばを売り、観客の様子を一番肌身で感じていた。もしかすると、高司が女子プロレスの現在と未来を一番分かっていたかもしれない。

高司は興行のとき、いつでも飲食の準備を担当していた。「オレはこっち(飲食)が何食出るかしか興味ないからよ」と言いながら、リングのほうはいつも気にかけていた。

興行試合の前のプロテスト。松本と本庄が対戦し、松本が全く技をかけられず、自ら降参した。「もう松本はダメだ」と俊国がさじを投げたとき、会場に入ってきた高司が「いいじゃねえか、もう1回やらせろ」と松本に最後のチャンスを与えた。

高司にチャンスをもらった松本は、奇跡的にプロテストに合格した。

ドラマの最後で、チケットを買えなかった少女を「特別だよ」と場内に入れてやる高司には、未来の「ダンプ松本」が見えていたのかもしれない。

ちょうど松本香がジャッキー佐藤の練習に魅せられて、ファンという存在からプロレスラーとして活躍したように。

往々にして、経営のど真ん中にいる者には経営が客観的に見えていないものだが、高司は女子プロレスをなるべく客観的な目で見るために、試合の時は一番高い席から見ることがあった。試合を見ている観客を見ていたのであえる。

筆者の意見

どうも、社長の高司(3男)のほうが副社長の国松(4男)よりも若く見えるので、私はかなり混乱していました

4男:松永国松(黒田大輔)

全女(全日本女子プロレス)の、副社長。会社の経営をめぐり、俊国(斎藤工)としばしば対立する。

経営が危うくなったため、以前は稼ぎ頭だったビューティ・ペアも容赦なく切り捨てた。レフェリーも務める。

長与千種にとって、国松は父親のような存在だったという。めちゃくちゃな経営陣に対して反発もしていただろうが、自分を育ててくれた恩人として最後まで慕っていた。

国松は2005年8月17日、品川のビルから飛び降りて自死している。遺書はあったが公開されていない。経営難から団体としてのギャラの遅延・未払いなどが話題となっていたが、国松氏の評判は良かった。団体としての負債は30億円以上とも言われる。

下の画像は、その時の実際の東スポである。国松に育てられた選手たちのショックは計り知れない。生きていてほしかった。

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5男:松永俊国(斎藤工)

俊国は5男。会社では専務の肩書。社長、副社長、専務と松永兄弟が務めるが、肩書はどうやらあまり意味はなく、上下関係もあるようでない。実際は経営方針をめぐって言い合いの喧嘩をすることは少なくない。

兄弟の中で一番年が若く、女子たちとも年齢が近い。いつも竹刀を片手に過酷な指導を行うのも俊国だ。まさかこの竹刀で自分が叩かれることになろうとは、夢にも思わなかっただろう。

社長の国松と、女子プロレスラーたちの扱いについて頻繁に言い合いをする。視聴率を取るか、レスラーたちの意見を取るか。国松も俊国も、互いの気持ちを理解しながら葛藤していた。

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松永俊国は斎藤工以外にあり得ない

今回、斎藤工はレフェリーとしても活躍する。あらためて見てみると、プロレスのレフェリーって大変なんだ!ということがよくわかった。

対戦相手に覆いかぶさったとたんに、レフェリーもうつ伏せでリング上に飛び込み、大きな声でカウントダウン。さらに観衆に分かるようにジェスチャーも大きくする必要がある。

ドラマの最後のほうで、ダンプ松本から断絶された本庄(クレーン・ユウ)がレフェリーの練習をするのだが、まったくできていない。レフェリーにはレフェリーの根性と思い切りが必要なのだ。

さらに、竹刀を片手に女子プロレスラーたちを統括する力と、怒鳴りつけながらも鼓舞する姿は、恐ろしくもあるが、本物のプロにしてやりたいという愛情すら感じられる。

斎藤工は、「昼顔」というドラマで上戸彩の不倫相手を務め、一気に有名になった。だが、斎藤を昔から知っている友人たちが「なんでお前があの役を?」と不思議がっていたそうだ(本人談)。

確かに、斎藤工には不倫相手の役よりも、女子プロの鬼コーチ役のほうが1000倍も似合っている。観ている側も、ドラマとは知りつつも、現実と勘違いし、ある種の「ドキュメンタリー」を見ている感覚になる。

斎藤工の魅力が存分に引き出されたドラマに仕上がった。彼の力を引き出した、放送作家の鈴木おさむの企画・脚本・プロデュース力にも敬意を表する。

松永兄弟:過酷なショービジネスの中でやりぬいた

プロレスはスポーツでもあり、興行でもある。スポーツを見に来てくれるファンがいて、チケットやグッズにお金を落としてくれるから興行が成り立ち、スポーツを続けることができる。

これは、野球だろうがサッカーだろうが、すべて根本は同じだ。国技と言われる相撲だって、もともとはドさ廻りで興行で成り立っていた。

ファンは「面白い」内容を好むし、自分の「推し」が最後の最後で勝つことを願う。絶対的に君臨するトップがいるのも最低条件だ。

強いトップが君臨するためには、彼らを常に脅かす「悪の役割」も絶対に必要だ。いわゆる「ヒール」。極悪女王では、極悪同盟がそれにあたる。

ヒールが悪ければ悪いほど、善玉は輝く。善玉が輝くためには、ヒールには「全国民から嫌われる」存在でなければならない。暗黒の反対側には、光り輝く太陽が存在するのが常だからだ。

誰でもヒールになりたいわけではない。できるなら、自分も皆から愛される善玉になりたい。だが、役割は仕事と割り切らねばこの世界では生きられない。

そんな役を割り振るのが、松永兄弟の仕事でもあった。

女子プロを存続させるためには、ファンに金を落としてもらわなければならない。そのために、クラッシュ・ギャルズと極悪同盟が生まれたのは、自然な流れとはとても言えない。松永兄弟経営陣の、テレビ局も絡めた策略の上に成り立っていた。

松永兄弟は常に悩んでいた。テレビ局の放映か、女子プロレスラーの思いを取るか。彼女たちは単なる「商品」ではない。それは重々承知していたが、かといって人気に陰りが出てきたトップスター(ビューティ・ペア)は交代させなければならない。

厳しい選択の連続だったろうと思う。だが、松永兄弟と女子プロレスラーたちは、一蓮托生の運命だったと言っても過言ではないだろう。

松永兄弟はすでに皆さん他界してしまったので、もう誰の話を聞くことができない。それが残念だ。今、もし生きていたら、「極悪女王」を見てなんというだろうか。きっと感激してくれるに違いない。そして、自分たちのやってきたことは間違いではなかったと心に強く思うだろう。

なお、プロモーターの阿部四郎(音尾琢真)については以下の記事をお読みください。

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