アーティスティックスイミング、始まりましたね。昔はシンクロナイズドスイミングと言っていたので、そっちのほうがなじみがある方も多いのではないでしょうか。(私もです)
そのアーティスティックスイミングで、思わぬ事件?がおこりました。「8万5千円払って順位を浮上」ということです。どういうことでしょうか?
日本チームの演技(テクニカルルーティン)
水に入る前から演技は始まっています。日本チーム(マーメイドジャパン)の登場です。
最初のリフトです。佐藤友花選手。
人間わざとは思えません。アーティスティックスイミングの選手によると、「顔は笑顔なんですが、苦しくて、心の中でこんちくしょうって叫んでます。脚はちぎれてもいいと思ってます」
見ている側は「きれい」「そろってる!」「華麗」「美人ぞろい」などとのんきなことを考えていますが、これはとんでもない修行です。
解説:隊形移動、パターンチェンジもどんどん繰り出していますね。
実況:足技を繰り出す中で、7回の隊形変化。
解説:非常に回転がシャープにキリッと回っています。
ここは美しいですね。並び、角度、非常に合っていました。
そして、長い長い足技。演技終盤に、16個の足技を組み込んできます。終盤にハイブリッド。
電光石火の足技!(日本チームのテーマは「雷」です)
演技が終わった!(ほとんど顔は水面下でした、さぞ苦しかったでしょう。)
日本の積み上げてきた点数
日本は、今年2月にドーハで行われた世界選手権で、テクニカルルーティンは3位という成績を残しました。ですが、その2月からわずか半年で、難度の合計を7点積み上げました。
すべて点数評価になってるんですね
解説:7点積み上げるとなると、演技の構成、速度が格段に変わってきますので。
実況:日本の難度の合計は48.1という申請。それがその通り認められれば、得点を伸ばしていける。
演技が終わり、得点発表を待つ選手たち。
実況:一番左下に出る項目が難度の合計48.1ならば申請どおり。どうか?
37.450!わずかに認められなかった部分もありました。この時点で4番目の特典になります。
すべてのチームのテクニカルルーティンが終わった段階で、日本は6位となりました。
日本側の抗議
その後、中島貴子ヘッドコーチは規定に基づいて500スイスフランを審判団に支払い、「正しく演技した」と抗議しました。
この抗議が認められて技の得点が32点台に変更され、合計284.9017点で3位に上がりました。抗議が通った場合、500スイスフランは返金されます。共同通信の報道によると、初めて抗議を行った中島コーチは「神頼みだった」と笑顔を見せたそうです。
ネット上の反応は?
ネット上では、この「有料の抗議」について様々な反応がありました。
・金とるん!?
・再審議にお金とる競技なんてあるんだ
・そうしないとイチャモンつける国多くなるからだろうね
・返金されるならいいと思う
・抗議が認められたら返金されるんだ。柔道でも導入してくれればなぁ…
・プロテスト(抗議)が有料なのは他の競技でもある。ましてや国は関係無い。
・野球もそうだけど、映像技術も進化してるからどの競技でもVAR導入すべきだよね。審判から死角の場所があるのもわかってるから。
それから、やっぱりこんなコメントもありました。
シンクロナイズドスイミングのこといまアーティスティックスイミングっていうの?
「抗議するのにお金とるのか」と驚いた声が多かったようです。私も初めて知りましたが、他の競技でもすでに導入されているようですね。(これも知りませんでした)
シンクロナイズドスイミングのこといまアーティスティックスイミングっていうの?
国際オリンピック委員会(IOC)の本部がスイスのローザンヌにあり、スイスフランはIOCの公式通貨となっているため、抗議料もスイスフランで支払われています。
スイスはEUに加盟していないので、ユーロは使われていません。ですので、独自の通貨「スイスフラン」を使用しています。
アーティスティックスイミング:テクニカルルーティン まとめ
日本の抗議が認められて、6位から3位に浮上した日本。
何より、今大会はテクニカルルーティン(TR)、フリールーティン、アクロバティックルーティンの合計点で順位を競うため、最初の種目での出遅れはメダル争いにおいて致命的になりかねませんでした。
中島ヘッドコーチ「ちゃんとやっていたという事で、OKをもらった」と安どの表情。失意の中だった選手にも伝え「帰る直前で、喜んでいました」と明るく語った。
フリールーティン、アクロバティックルーティンでも素晴らしい演技を見せてくれるでしょう。
がんばれ、マーメイドジャパン。がんばれニッポン!