日本を震撼させた「北九州・小倉のマクドナルド中3殺傷事件」の犯人が逮捕されました。犯人の名前は平原政徳(ひらばるまさのり)43歳です。
どのようにしてこのような悲惨な事件がおきたのでしょうか?そして動機は解明されるのか?この記事では、犯人の実像や動機について、現在わかっている限り詳しく解説していきます。
犯人・平原政徳の家族は?
12月19日午前9時58分、捜査員が平原の家に入っていきました。何回も呼びかけましたが応答がなかったため、捜査員はガラスをぶち破いて中に入っていきました。
平原は椅子に座っており、特に抵抗することもなく、連行されていきました。
平原の家族は?
平原政徳(ひらばるまさのり)は、現在一人暮らし。
近所の人の話によると、平原には奥さんと子どもがいましたが、3ヶ月ほど前から姿が見えないということです。
殺害された中学3年生の中島咲彩さん
塾の帰りにマクドナルドに立ち寄り、レジで並んでいたところ、後ろから平原に刺された中学3年生の中島咲彩さん。腹部を刺されて死亡しました。
一緒にいた同じく中3の男子生徒も腰のあたりを深く刺されて重症だということです。
男子生徒によると「全く知らない男に刺された」と証言していました。
事件から6日後に急展開
付近には防犯カメラもあり、多数の目撃証言も寄せられる中、なかなか犯人が捕まらないので付近の住民からは恐れといら立ちが募っていました。
そんな中、事件から6日後に急展開がありました。12月20日の早朝から、犯人の家の付近には複数の防護服を着た警官の姿が近所の人たちに目撃されています。
そして、10時に犯人が確保されました。
このあと、犯人逮捕を受けて警察署で記者会見が行われました。15歳という未来ある女子の命を奪われ、何としても犯人を逮捕しなければという決意のもと、警察官たちは不眠不休で捜査にあたりました。
逮捕の決め手となったものは?
警察によると、逮捕の決め手は「防犯カメラ」、そして「ドライブレコーダー」だと言います。
当時、付近を走っていた車から多くのドライブレコーダーが提出され、ドライブレコーダーと防犯カメラの連携リレーにより、犯人の特定に至ったということです。
事件後から逮捕まで、延べ百数十人の警察官が逮捕に向けて全力で捜査しました。
容疑はなぜ「殺人未遂」なのか
平原容疑者が逮捕され、警察署での会見では、「容疑は男子学生への殺人未遂」で逮捕とされていました。
なぜ、女子学生の殺人ではないのでしょうか?
まず、現在のところ、証言として男子学生が「知らない男に刺された」ということです。普通に考えても、平原が女子学生を刺したのは間違いないのですが、警察は絶対的な証拠がない限り、状況的な証拠だけでは逮捕できません。
まずは、男子学生の証言のみで逮捕し、取り調べで犯人の自供を引き出し、女子学生を刺したことを認めさせることになるでしょう。
犯人の自宅とマクドナルドの距離は?
犯人は、事件のあったマクドナルドから直線距離で約900メートルの距離に住んでいました。
平原容疑者の犯行の様子も、徐々に明らかになってきました。
犯行の状況
平原容疑者は、マクドナルドの駐車場に10分ほど待機したあと、店に入っていったことが防犯カメラから明らかになっています。
マクドナルドには入口が2つありますが、平原容疑者はレジに近いこちらの入口から店内に入りました。
12月14日、午後8時10分頃、中島さんと男子生徒は、塾の帰りに勉強するため、マクドナルドに立ち寄ったところでした。
その同じ時間帯に駐車場に車を停めていた平原容疑者。列の最後尾に並んでいた二人を次々と刺し、逃走しました。
犯人が店に入ってから出るまで、わずか十数秒という短い時間。店の人も、男子生徒が倒れているのを見て初めて事件に気づいたということです。
当初、犯人は北へ逃げたとされていましたが、実際は南方向へ逃走したと明らかになりました。
平原容疑者の人物像は?
平原容疑者は、近所の人から「怖い人」だという評判でした。
「怖い人だなと。誰に対して怒鳴っているか分からないのですが、独り言なんです。今年カラオケを買って、すごい音量で歌っている」
「奇声をあげていました。大音量で軍歌みたいなのを流したり。寒いのに窓を開けて、音楽を流していた」
今年の5月と10月には、平原容疑者の騒音問題について、警察に相談が寄せられていました。
さらに、平原容疑者の自宅では異様な光景が目撃されていました。
「最近は家の中も青く光っていて、変な光が見えて、怖かった」という近所の住人。
下の写真は、逮捕2日前の平原容疑者の自宅前で撮影されたものです。確かに、家の中から青い光が放たれているのがわかります。
そして、逮捕前日の容疑者の家の中からは、一点して緑色の光が。これはどういうことでしょうか。
犯人の動機は?
犯人・平原は現在一人暮らし。奥さんと子どもがいましたが、3ヶ月ほど前に出ていったと近隣の住民の証言があります。その頃も、うわーっとすごい大声で怒鳴っていたそうです。
平原は騒音問題で、過去に2度ほど警察に通報され、警察も平原と面会していました。
大音量で音楽(軍歌などの古い曲)をかけ、近隣に迷惑をかけていました。また、大きな声で怒鳴ったり、道を歩いていてもブツブツ言ったり、拡声器で怒鳴ったり、とにかく「怖い人」「やばい人」であったことは間違いありません。
平原容疑者は、43歳無職。奥さんと子どもにも逃げられ、やり場のない怒りを抱えていたのかもしれません。
えてして、このような人物は、自分の不幸を他人のせいにする傾向があります。「自分は悪くない」「他人が悪い」「世間が悪い」「親が悪い」など。
仕事もない平原容疑者は、自分を誰かに認めてもらいたい欲求はあったと思われます。てっとり早いのは、事件を起こして注目を浴びることです。そのような動機で大きな事件をおこしてしまう人間は、過去に何件もあります。
また、「つまらない自分の人生」と比較して、幸せそうな他人の姿を悪く思えることもあります。通り魔事件の犯人の自供からは、「誰でもよかった」という自供がたびたび引き出されています。裁判でもそのように証言する人は何人もいます。
平原容疑者は、自己肯定感が非常に低い人物と思われます。
おそらくは、亡くなった中島さんとも、同じく被害にあった男子学生とも、全く面識がなかったでしょう。
平原容疑者の自供はまだまだこれから取り調べの中で明らかになっていくでしょうが、「誰でもよかった」というのが動機だとしたら、中島さんの死がこれほど報われないことはありません。
今後、このような悲惨な事件が二度と起きないためにも、平原容疑者の動機が明らかになることを願います。
最後に、中島咲彩さんの御冥福を心から祈ります。そして、重症を負われた男子学生の方の、一日も早い回復を願います。