夏が海のパパになるかどうか、まだ決まっていないのに、弥生はママになろうとしています。なぜそんなに焦る?今日は弥生について、現在(第3話)分かっていることを徹底解明していきます。
夏くんはまだはじまっていないのに
「夏くんのパパ、いつ始まるの?」と第一話の最後で海に聞かれた夏。夏は答えることができませんでした。
第3話の最後のシーンは、夏と海が二人きりで海岸に来たシーンでした。そこでまた「夏くんのパパ」のやりとりがあります。
海は「夏くん、パパやらなくていいよ」と言われて、「パパやるって、何?」と夏は正直に答えます。海は「わかんない」夏も「わかんない」
二人とも、パパをやるってどういうことか分からないんです。
でも、海は夏にどこにも行ってほしくない。ママが亡くなって、亡くなるということは、どこかに行ってしまうことだと分かっているからです。
まだ、本当の親子がそんな状態なんですが、弥生はそこに自分が「ママ」として存在することを決めているのです。だから、見ている私たちも、「なんで?」と思う部分があるんですよね。
弥生の気持ちは分かりますが、夏と海がまだ、自分たちの心も分からず、どうすればよいのか分からないのですから、もう少し二人だけの時間を持ち、こうしようと決めてからでないと、他人は入れないんですよね。悲しいですが。
弥生の年齢
弥生は現在30歳。夏は28歳。弥生のほうがふたつ年上です。
男性の28歳は、まだまだ結婚は考えなくてもいいんでしょうが、女性の30歳は、ひとつの区切りです。女性にとって、30前と30過ぎはすごく違うんですよね。
夏と弥生は、まだ結婚の話が出ていないようです。でも、二人はすでに夫婦のような感じで行き来していますし、弥生は夏の家で夕飯を作ったり、食べたりしています。弥生にとって、いつ結婚してもいいという状態です。
結婚して、子供を持つことを考えたら、30歳過ぎたらなるべく早く結婚しないと、35歳になっちゃうな、ぐらいは当然考えるでしょう。
女性は、年齢から自分の人生を逆算するものなんです。男性には分からない部分です。
弥生が焦っている理由の大きな理由は、「年齢」にあります。
弥生の悲しい過去
弥生は、以前付き合っていた男性の子どもをおろした過去があります。彼女は非常にまじめな人間なので、そのままにせず、お位牌を作り、お墓まで作り、お坊さんに供養してもらいました。
たびたびお墓(ロッカー式)を訪れ、そのたびに、お菓子や小さなおもちゃが増えていきます。
お菓子がビスコなので、ちゃんと考えているんだなと思いました。ビスコは長期保存ができますし、災害用品の中に入れる物としても推奨されているのです。
偶然にも、弥生の子どもが生まれていたら、ちょうど海ちゃんと同じ年齢です。弥生もそれは分かっているでしょう。だからこそ、産めなかった自分は海ちゃんの母になりたいと思っているに違いありません。
産んであげられなかった子供の代わりにはならないけれど、でも、せめて自分がママをやらせてもらえないだろうか、と考えていることでしょう。独りよがりの考えではありますが、弥生の本当の気持ちだと思います。
夏と弥生の間に割り込んできた海ちゃん
これまで、普通の恋人同士だった夏と弥生。年齢的に、そろそろ結婚かなと思っていた矢先、突如現れた海ちゃんという存在。
この存在はなかなかやっかいです。海がおばあちゃんと暮らすならまだしも、夏がこれからも関わっていくとなると、自分はどうなるんでしょう。
不安な毎日をすごす弥生は、少しでも海と親しくなろうと、夏が会うときは必ず自分もいるようにしていました。
でも、第3話の最後では、夏は自分ひとりで海に会いにいく選択をし、弥生は呆然とします。
夏のアパートでも、夏は海に「泣きたいときは無理しないで泣いた方がいい」と言い、弥生は夏を止めようとします。
でも、結局海は夏の言うとおり、思い切り泣いたし、二人は抱き合って涙を流しながら水希の死を悲しんだのです。
弥生が何かしようと思うと、逆に疎外感を味わい、やっぱり夏と海は血を分けた親子であることを実感することになります。
「このままではいけない」
弥生の焦りはどんどん膨らんでいくことでしょう。
言ってはいけなかった言葉
弥生は、夏と海と3人で、初めてお出かけをします。
海を送り届けると、海の祖母、朱音(大竹しのぶ)は「どうでしたか」と夏に尋ねます。
それは、「海は大丈夫でしたか?」という意味だったのですが、答えたのは弥生。
「楽しかったです!」と笑顔で答えたのです。
「楽しかった…?」と朱音は返します。ムッとしたのでしょう。
その気持ちは分かります。まだ納骨もすんでいないのです。自分の娘が亡くなったばかりで、心の整理もついていません。毎日、悲しみに明け暮れているのです。
娘が天国へ行ってしまったこと、残された海はどうすればいいのか、夏は父の役割をしてくれるのか?
いろいろな気持ちが渦巻いている中、「楽しかった」という言葉を受け入れる余裕は、まだ南雲家にはないのです。
なぜ、弥生はそんなことを分かってあげられないのか?
理由は簡単です。「自分の気持ちが大事」だからです。
海ちゃんは楽しかっただろうか?そんなことすら、あの時の弥生は考えていませんでした。
まだ早いんですよね、弥生が霧島家にやってくるのは。
子ども産んだことないでしょ
「あなた、子供産んだことないでしょ」と朱音は弥生に言いましたが、私はそれも「言っちゃいけないこと」だと思いました。
弥生の過去とは関係なく、相手に対してその言葉は失礼ですよね。
図書館でも、津野君はいろいろ意地悪なことを言ってしまいましたが、後で後悔しているでしょう。人はつい、人を傷つける言葉を発してしまうんですよね。
このドラマは、人を傷つける言葉がいっぱい出てきて、見ている側も大層苦しいのですが、唯一、人を傷つけないのが夏と海です。
夏は言葉少なく、あまり自分の気持ちを言わない人間ですが、だからこそ、口から発せられた言葉には責任を持つ覚悟が感じられます。
海ちゃんは、持ち前の明るさで、言葉足らずですが、まっすぐな心が人を優しくしてくれます。お母さんも、ある意味まっすぐでしたからね。
さて、弥生の焦る理由はお分かりいただけましたでしょうか。
第3話にしてこの展開、この伏線。いったいこのドラマの終着点は、どこにあるのでしょうか。これからも解説をしていきます。